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写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー

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2006.12.16

ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!

【続・フルマニュアル撮影の「絶対音感」】
シャッター速度と絞りを制する

一眼レフカメラをマニュアル露出モードで使う場合に、カメラをコントロールする核心的な要素になるのが、シャッター速度とレンズの絞り。その調節は、音響機器のボリュームのように無段階で動かせるものではなく、段階的に並んだ数値を選択する方式となっていて、最適な組み合わせをセットすることで、適正露出での撮影が可能となります。したがって、シャッター速度や絞りを上手に使いこなすには、数値の並び方を、実際の写真で得られる効果と結びつけて、あらかじめ覚えておくことが大切です。これは、例えるなら小学校の算数で習う掛け算の「九九」と同じくらい、基本的なことと言えるかもしれません。今回は、それらの数値の「覚え方」について解説します。

シャッター速度の覚え方

シャッター速度と絞り値(F)は、それぞれ一定の法則性のもとに並んだ数列となっていて、これらの段階を適宜選択することで露出をコントロールします。まずは、シャッター速度のほうを見てみましょう。

シャッター速度の読み方は「1/○○秒」(○○分の1秒)で、シャッターを開けてフィルム(または画像センサー)に、レンズの像を露光する時間の長さを意味しています。この数字は、分子が必ず「1」になる分数表示なので、分母の数が増えれば、それだけ露光時間は短くなり、より高速なシャッターということになります。シャッター速度の選択による画面効果として、低速シャッター側では被写体の動きがブレの軌跡として写るようになり、高速シャッター側では被写体の動きが静止して写ります。なお、カメラの表示では、記載スペースを節約するため、分子の表記を省略して、分母だけが書いてあることがほとんどです。ゆえに、カメラの露出表示に限っては、整数でも数字が大きいほど少ない露光量となります。1秒より長いのスローシャッターの場合は、露光時間が本当に整数になるわけですが、この場合は「1s」「2s」といったように秒を表す単位が付いた表示で区別されます。シャッタースピードは、単純明快な時間の概念であり、一眼レフでは必ずボディ側に操作キーが付いています。ゆえに、レンズを交換した場合でも、シャッター側の動作に何ら変化はありませんから、シャッター速度については一眼レフ初心者の方でも理解に苦しむことは少ないでしょう。

シャッター速度の並び方は、「1秒」を基準として、次々と2で割っていく数列が基本。つまり、分数の分母だけが、1段速くなるごとに「分母×2」で増えていく、2の倍数になっています。「1/8秒」までは、まさしく計算どおりですが、それより速いシャッター速度では、端数を切り捨ててキリのよい数字でカメラに書いてあります。これは、撮影データの表示にはわかりやすい近似値を使うことになっているからで、実際には計算どおりに、分母を2倍していった分数に対応する露光時間で、内部のシャッター機構は動いています。このように、慣習的な表示と実際の動作速度には若干のズレがあるわけですが、この点は数学的な計算の正確さを求めずに、だいたいの感覚をつかむようにしたほうが記憶しやすいでしょう。

シャッター速度は、ダイヤル設定式のカメラであれば、多くの場合、表示された通りに数列をステップ1つ分だけ上げ下げすると、露出1段分(1EV)に対応します。アナログ式のカメラをお持ちの方は、このシャッターダイヤルに書かれている数字を頼りとして、露出1段刻みのシャッター速度を、低速側から最高速まで1個ずつしっかり覚えてください。

一方、最近の電子制御式カメラでは、露出1段刻みの正位置のほかに「中間シャッター」があり、1段分の1/2刻み、もしくは1/3刻みのステップで、シャッター速度を変えることができます。その場合、シャッター速度設定のキー操作1回で露出1段分が動くのではなく、キー操作1回が最小ステップ分の動きに対応することとなるので、露出1段分の上げ下げを行うには、1/2段分×2ステップ、もしくは1/3段分×3ステップのキー操作が必要です。「中間シャッター」の使用時には、一見すると中途半端な数値が現れるので、そのシャッター速度が、本来の正位置に対して、どのポジションにあるのか把握しておくことが、絞り値と組み合わせたときに混乱しないためのポイント。マニュアル露出の設定ミスを防ぐには、シャッター速度で「中間シャッター」を使いたい場合には、絞りはなるべく正位置にするなど、優先AEのように露出設定の基準にする要素を先に決めておいて、両方が「中間」の設定にならないようにすると良いでしょう。なお、中間シャッターは、速度の確保より、微妙な露出コントロールのために使う場合がほとんど。画面効果を考えてシャッター速度を上げ下げしたいのなら、基本的には、露出1段分単位で動かすべきなのです。

絞り値の覚え方

続いて、絞り値。これも本来は数学的に説明可能な数列で、どのレンズでも共通して、同じ並び方の数値が適用されています。絞り値は、レンズを通る光(像)の明るさを段階的に調整するもので、露光量を示す単位として先頭に「F(エフ)」を付けて書かれることが多いようです。また、個別のレンズについて、絞りを最大に開いた「開放」の状態にあるF値は、そのレンズに固有の明るさの性能を表します。絞りを開放側から露出1段分操作すると、それに応じて、絞り値は「×1.4」ずつ増えていきます。これは非常に中途半端な数字に思えるかもしれませんが、言い換えると「×ルート2」(2の平方根を掛ける)ということになり、数式としては意外と単純。ルート2を計算した答である「1.4」を基準に、小数から始まる数列となっているので、シャッター速度に比べると難しく見えるのです。なお、絞り値を1段上げた値は数字で書くと「×1.4」ですが、実際の撮影では露出1段分として、シャッター速度の1段分と同じように、露光量をコントロールする効果が得られます。この点も、数学的に説明することは可能ですが、そうした難しい話は実際に被写体を前にしたときの撮影ではあまり役に立たないので、感覚的に「絞り1段=シャッター1段=1EV」と、そのまま単純に理解すればOKです。露光量そのものを変えない場合では、絞りを1段絞ったら、代わりにシャッター速度を1段遅くすることにより、その組み合わせは、機材が対応している範囲で自由に設定することができます。

絞り値の並びは、数列の見た目が不規則な上、開放に近い部分では小数が出てくるので、マニュアル露出の初心者の方にとっては非常に覚えにくいと思います。でも、絞りリングがあるレンズ、または独立した絞りダイヤルがあるカメラなら、使える絞り値の全体が一通り並べて書いてあるので、実際の撮影時にはそれを見るだけでOK。ゆえに、「×1.4」刻みの数列を暗記できるまでは、アナログ式カメラのほうがマニュアル露出を覚えやすいかもしれません。また、設定可能な絞り値の範囲はレンズの性能によっても変化するので、原則的には、レンズ側に絞りリングがあったほうが、露出の判断と設定が容易にできるでしょう。しかし、電子制御方式が多くなった現行機種の一眼レフカメラでは、多くが絞り値の設定もボディ側の液晶モニターを見ながら操作する方式を採用しており、レンズ側には絞りリングがないのが実情。この場合、絞り値は液晶画面上にシャッター速度と並んで表示され、そのとき選択中の絞り値のみしか見ることができません。加えて、絞りのキーを1回操作したときに動くステップは、露出1段分ではなく、1/2段または1/3段であり、しかも開放に近い絞り値では、小数が連続します。よって、現在の設定値が、可変域全体でどのあたりのポジションになるのか把握できるよう、現行機種のカメラを使う場合は、あらかじめ絞り値の並びも、しっかりと覚えておく必要があるでしょう。

さて、絞り値の並びを、数列として覚えるまでは何とかなりそうですが、実際の撮影では、このほかにもまだ少々難しい問題があります。それは、絞りの数値と、実際に画面で得られる撮影効果を関連付けて理解しておくということです。

絞り値を調節すると、その効果は、レンズの中にある絞り機構が光を通す物理的な径(穴)の大きさや、露光量の変化、被写界深度の深さ(ピントが合う範囲)の3点に、大きな影響を与えます。まず、レンズ内にある絞り機構の径ですが、同機構を形成する絞り羽根をまったく絞っていない状態を「開放」といい、これは各レンズで、絞り値を最も小さい数字に設定した状態です。そこから、だんだん絞り値を大きな数字に上げていくと、実際の絞り機構では光が通る穴の径が狭くなっていきます。つまり、F値が大きい方が、実際の絞り機構の径は小さくなるわけです。ちなみに、一眼レフの場合は、シャッターを切った瞬間だけ絞り機構が動くので、穴の径を確認したいときはスローシャッターを切るか、プレビュー機能を利用してみてください(何もしない状態では、絞りは開放に保たれており、このため最も明るい像でファインダーが確認できます)。露出については、穴の径が狭いほうが通る光は弱くなるので、この点を整理すると、F値が大きくなるほど露光量は少なくなります。被写界深度は、狙った被写体にレンズのピントを合わせたとき、その基準点の前後で同様にピントが合って見える範囲のことですが、これも絞り値の大きなほうが、より広い範囲にわたってピントが合うようになります。この効果は、実際の写真撮影では、背景のボケ具合を調節するために使います。

こうした撮影効果は、絞りの数値を見ただけでは一見して想像がつかないので、時間の概念であるシャッター速度に比べると、単純な数列として覚えることが難しくなります。さらに、被写界深度に関しては、レンズのピント位置が無限大に近い場合と、至近距離の場合で大きな違いがあり、またレンズの焦点距離によっても、広角と望遠では、同じ絞り値でもピントが合って見える範囲に大きな差が出てきます。したがって、絞り値を単なる数値の並びとして量的尺度で考えようとすると、カメラについて詳しく知れば知るほど、ワケがわからなくなってしまうかもしれません。そこで、絞り値については、その正位置となる数を一種の「名前」のように考え、質的尺度としてとらえたほうが、実際の撮影では何かと好都合です。

そこで、一つの覚え方として、比喩による表現を試みてみました。ここではマニュアル撮影の「絶対音感」の話をしているので、そのまま音楽に例えることにしましょう。これからの話は、あくまで理解しやすくするための「例え」ですから、もちろんレンズの取り扱いと音楽の間に、何ら直接的な関係があるわけではありません。ほかに、わかりやすい覚え方があれば、違う方法を選んでいただければ結構です。さて、絞りの正位置に出てくる数値を「名前」のように考えるということで、ここでは絞り値を音階に見立てて、五線譜の上に露出1段刻みのステップで並べてみました。最も使用頻度が多い、F1.4~32の値は、正位置のみで10段階になるので、五線譜にはちょうどよく収まります(図参照)。数字で音符を書くとTAB譜のようですが、線の数は5本です。これだけの絞り値を覚えておけば、標準レンズから望遠レンズまで、ほぼすべての焦点距離をカバーできるでしょう。五線譜の下側が開放絞り、上に行くほど絞り値は大きく、レンズ内の絞り機構としては穴の径を絞った状態になります。ここで、絞り値を量的な数字だとは思わずに、音階の「ドレミファソラシド」と同じように、それぞれの絞り値の段階に付けられた「名前」が、規則正しく並んだ状態だと置き換えて考えてみましょう。実際の五線譜では、ミ→ファ(E→F)と、シ→ド(B→C)だけ半音上げなのですが、ここではあくまで例え話なので、あまり難しくは考えず、すべて等しい間隔で絞り1段ずつ上げていくものと思ってください。

図:レンズの絞りを音階に例えたイメージ

ここで、想像をふくらませて、絞り値と音階を、感覚的なイメージとして結びつけてみましょう。すると、小さい絞り値のほうは、ゆるくて太い低音の感じに、それから1段ずつ上がって大きい絞り値に行くと、キーンと張りつめたようなシャープで繊細な高音の感じになるように思えてきませんか? これを実際のレンズの場合に照らし合わせると、小さい絞り値では背景がゆるくボケて被写界深度は浅く、絞り機構の径は太くて露光量は強い状態。大きい絞り値になると、背景までシャープにピントが合って被写界深度は深く、絞り機構の径は細くて露光量は弱い状態です。現実には、絞りと音階は関係ありませんが、こうして例えてみると、単なる数字の羅列よりもイメージがわいて、記憶に残りやすくなるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか? ちなみに、弦楽器では音階の高い音(TAB譜の上側)のほうが、1本の弦の直径は細くなっています。この点だけは、この五線譜の比喩で示した絞り値と、実際のレンズに付いている絞り機構の穴の径との関係にも似ていますね。

さて、絞り値の設定では、シャッター速度と同じく中間値の使用も可能で、「×1.4」で連なる正位置のほかに、現行機種の電子制御式カメラでは、最小で露出1段分の1/3単位から微調整ができるようになっています。しかし、この中間値の設定は、いまに始まったわけではなく、絞りリングがある旧型のアナログ式カメラでも、絞り値だけは昔から中間値が使用できました。ただし、絞りリングで設定する機械制御式では、最小単位は1/2段刻みのみ。よって、昔のカメラでは、中間絞りのことを「半絞り」ともいいました。そして、中間値を使った撮影データは、「絞り8半」のように正位置の値に「半」を書き添えることも、しばしばありました。この「半絞り」という呼び方は、音階の「半音」と同じ考え方です。したがって、前述の五線譜の例えに当てはめるなら、音階をイメージした数字を、“半音”だけ上げ下げするものとして、中間絞りの位置関係を理解することができます。つまり、「絞り8半」とは、F8とF11の中間値ですから、これは“F8の#(シャープ/半上げ)”であると同時に、“F11の♭(フラット/半下げ)”という比喩でイメージできるわけです。

マニュアル撮影の楽しみ

実際のマニュアル露出による写真撮影では、シャッター速度や絞りは、どちらか一方の単独ではなく、必ず両方を組み合わせて使います。また、どんな焦点距離のレンズを使うか、被写体の大きさや、カメラとの距離はどうか、被写体は止まっているか動いているか、カメラは手持ちか三脚使用かといった条件も、シャッター速度と絞りの最適な組み合わせを決定する上では重要な判断材料となるものです。もちろん、被写体の明るさや撮影の時間帯によって、露出そのものも大きく変わるでしょう。そんな複雑な撮影環境の中でも、自分の撮りたい写真の仕上がりイメージに合わせて、シャッター速度や絞り値の関係を直感的に把握できれば、カメラの自動露出まかせとは一味違った、個性的な写真も自在に撮れるようになるのではないでしょうか? そのための大前提となるのが、マニュアル撮影の「絶対音感」を習得すること。なかなか、一朝一夕に身に付くものではありませんが、しかしこの最上級レベルのテクニックを覚えれば、きっと楽器で旋律を奏でるかのように、カメラで光のニュアンスをとらえて、より独創的に写真を撮ることも楽しめるのではないかと思います。これを楽しめるようになるまでには、何かと苦労も多いと思いますが、興味のある方は頑張ってチャレンジしてみてください。

 
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