写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
2009.11.20
一眼レフ用のレンズには、カメラボディを作っているメーカーが発売している「純正レンズ」のほかに、レンズ専門のメーカーが発売している「レンズメーカー製レンズ」というものがあります。初心者の方には、あまり馴染みがないかもしれませんが、レンズメーカーは、カメラのボディは作らずに、カメラメーカー各社のマウントと互換性がある、交換レンズのみを作っている会社です。レンズを買い足す場合などには、レンズメーカー製レンズについても知っておくと、購入予算と求める性能のバランスをとりながら、撮影目的にあったレンズを選ぶこともできるので、何かと好都合です。今回は、そのようなレンズメーカー製レンズについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
一眼レフは、レンズ交換ができることが最大の特徴。これは、つまりレンズマウントに互換性があり、カメラボディに装着して、機能が正常に動作するのであれば、一眼レフのレンズは、理論的には何でも良いという意味になります。
それゆえに、カメラメーカー製の純正レンズのほかに、レンズ専業メーカー製のレンズも売っているわけで、ユーザーは、純正レンズでも、レンズメーカー製レンズでも、好みや予算に合うほうを、自由に選ぶことができます。したがって、ユーザーの立場から見ると、あるメーカー1社の一眼レフボディに対して、使用可能な交換レンズを選ぶとすれば、純正1社+レンズメーカー主要3社で、合計4社程度の製品ラインアップから、求める1本を探せることになります。
ということは、もし、純正レンズのラインアップに、自分の撮影目的に合うようなレンズがなかったとしても、レンズメーカー製レンズを候補として探せば、ピッタリの交換レンズが見つかる可能性があり得るということです。
ところで、逆に、まったくレンズを作らない、カメラボディ専業メーカーがあるかといえば、実態としては、ほとんどありません。ニコンマウントに互換する一眼レフのボディだけ作っているメーカーはありますが、そのメーカーもカメラボディ専業ではなく、一眼レフ以外では、レンズが付いたカメラや光学製品を主に製造しています。なぜ、そうなるかというと、メーカーの一眼レフビジネスとしては、どちらかというとレンズを売らなければ、利益が出にくい体質があるからだとみられます。
初心者の方が、現行のデジタル一眼レフの1台目を購入する場合は、おそらく普及機か中級機の「レンズキット」を選ぶことが多いと思われます。これは、カメラボディに純正ズームレンズが1本、または2本付属するという商品設定で、付属レンズは、メーカーがあらかじめ指定しています。したがって、初心者の方が、カメラボディとレンズを別々に選んで買うという例は、実際には少ないでしょう。
しかし、撮影に慣れてきて、レンズキットに付くズームレンズのほかにも、望遠レンズや広角レンズがほしいと思った場合には、レンズを買い足すことになります。そのときになってから、選択候補として、純正レンズとレンズメーカー製レンズの性能を比べてみるというのが、初心者の方にとっての、レンズメーカーとの典型的な出会い方ではないでしょうか。
交換レンズを追加購入する場合は、レンズマウントの仕様が、すでに使っているカメラボディに対応しているレンズを、必ず選ぶ必要があります。光学性能に魅力がある交換レンズでも、マウントが違う場合は使えないので、購入の前に忘れず確認してください。
ところで、カメラボディとレンズがセット販売される商品について、メーカー純正の「レンズキット」と類似した名称で、「レンズセット」というものが、小売の現場で売られていることがあります。前者は「キット」で、後者は「セット」。どことなく、同じ意味であるような気分になるかもしれませんが、後者のように「セット」という場合は、小売り販売店でレンズメーカー製レンズを抱き合わせた、独自セール品を指す場合がありますから、意味を十分にご理解いただいた上で購入をご検討ください。ちなみに、キャンペーンなどがある場合、「セット」は特典の対象外です。
基本的に、カメラメーカーと同じ会社が作っている、純正レンズの現行品であれば、レンズマウントを間違えることはあり得ません。また、動作性能についても、メーカー側で実際に検証しているので、仕様の通りに動きます。
ただし、所有しているカメラボディが極端に古い場合は、マウント内部の電気接点が非対応などの理由で、レンズの装着はできたとしても、一部の機能に制限を受けてしまう例もあります。フィルム用の一眼レフや、初期型のデジタル一眼レフ、社名が変わった会社が過去に出していたカメラ・レンズをお使いの方は、必要に応じて、カタログなどの仕様一覧で、レンズマウントの項目を参照してください。
レンズメーカー製レンズについても、選び方は純正レンズと基本的に同じで、レンズマウントが合う製品を選びます。ただ、純正レンズの場合は、ガラス光学系の仕様1種類に対して、マウントの仕様が自社製品限定1種類の単純明快な対応となっていますが、レンズメーカー製レンズでは、ガラス光学系の仕様1種類に対して、マウントの仕様が1社限定ではなく、対応するメーカーの数だけ、複数、用意されます。したがって、レンズマウントを必ず指定しなくてはなりません。
これは、つまりレンズメーカー製レンズでは、ある焦点距離となる1製品ごとに、マウント以外のレンズ本体部分(鏡筒)が共通で、カメラに装着するマウント部分だけを、カメラメーカー別に変更した、複数のバージョンが、並行して販売されているということ。この状況は、実態を知らない人にとっては、概念的に少し理解しにくいかもしれませんが、言い替えると、型番として同じ仕様のレンズでも、自分が持っているカメラメーカーのマウントに合うものと、それ以外のカメラメーカー用の姉妹製品が、まるで一卵性であるように、同時に売られているということです。
そのため、レンズメーカー製レンズを購入の際は、焦点距離や開放F値などの光学性能だけでなく、レンズマウントの対応状況を、必ず確認する必要があります。そして、候補として用意されているレンズマウントのメニューから、自分のカメラに合うものを指定した上で、最終的に選ぶレンズを決める手順となります。
ちなみに、レンズメーカー製レンズであっても、現行製品のAFレンズでは、すべてのレンズマウント部が固定式となっていて、レンズ本体部分から、マウントだけを外すことができません。その昔、一眼レフがAFになるより前の時代には、ユーザーが自分でマウント部分だけ外して付け替えれば、1本のレンズが複数のカメラメーカーに対応できるという、マニュアルフォーカス専用のレンズもありました。しかし、現在では、そのタイプのマウント交換式レンズは残っていません。レンズメーカーに改造を依頼して、マウントを他社のカメラ用に付け替えることもできませんから、その点は覚えておいてください。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。