●ナビゲーター Let'sフォト美
【今回使用したカメラ】 COOLPIX885 (Nikon)
PowerShotS40(Canon)
夏は海に山にと、ふだんはなかなか足を運べない場所に行ってバカンスを楽しみたいもの。そして、雄大な風景もそのまま写真に撮って持ち帰りたいですよね。そんなときにちょっと使えるコツをお教えしょう。
→パノラマ撮影の機能が搭載されているデジタルカメラの場合
昨今、いろいろな面でアナログカメラと比較されて便利な代物と言われているデジタルカメラでも、このパノラマ写真については、アナログカメラほどカンタンではありません。なぜなら、1カット(シャッターボタンを一回押して撮れる画像)だけで、あのヨコになが〜い画像を記録することができないからです。
ですから、デジカメでパノラマ写真をつくるには、まずカメラの設定を固定し、同じ画角でワイドな景色を分割撮影し、それをパソコンソフトで一枚の写真に合成するという方法が定番です。
■全て同じ設定で分割撮影しよう
パノラマ(分割)撮影では、左右(または上下)に連続する写真を撮りますが、このとき、すべての画像が同じ色合い、明るさ、距離で撮影されていないと、キレイに合成できません。

【レンズを平行移動させ、5カットに分けて撮影】


【パノラマ合成ソフトを使って1枚に合成】


以下、撮影方法についてご説明します



夏の旅行に三脚を持って出かけるのは困難な人もいるかもしれません。
しかし、ことパノラマ撮影に関しては、花火の撮影と同様、三脚を使うか使わないかで出来ばえも大きく違ってきます。
しかも、カメラを三脚に固定すれば、水平垂直を保ちながら上部を回転できるので、撮影も楽勝!夕暮れどきやうす暗い景色でもブレずに撮ることもできますよ。

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■撮影中のズーミングは厳禁
撮影には三脚を使うだけでなく、ズーミングにも注意しましょう。すべてのカットを同じ画角(ズーム倍率)で撮らなければなりません。


今回は、夏の山・尾瀬で広々とした湿原を撮りました。撮影時、雲が多かったものの晴れていたので全体にまんべんなく光が行き届いている状況でした。そこで、ホワイトバランスの設定を「オート」に。
しかし、撮影する景色の中で一部の場所だけ太陽に強く照らされていたり、明るさが一定でない景色を撮るときは、なるべく「オート」は避け、適切なモードに設定するようにしましょう。
明るさがまばらな景色を「オート」で撮ると、画像ごとに色合いが変わってしまう可能性があります。
■設定するには
カメラを撮影モードにセットしてメニューボタンを押すと、撮影メニューの中に「ホワイトバランス」という項目を選択できます。
また、グレードの高いカメラには、専用のボタンが用意されていたりします。

※ホワイトバランスは「6月号」でも解説しています
※この操作方法は、カメラによって異なります。具体的な操作はお使いの機種のマニュアルをご確認ください。


露出もホワイトバランスと同様、撮影する一連の画像を、全部同じ明るさに撮る必要があります。
ある程度カメラまかせで撮影する場合は、カメラから同じ距離に毎回ピントを合わせて撮ります(遠くの景色を撮るときは「遠景」モードにすると失敗しなくてすみます)。
すると、露出はカメラが自動的に設定してくれますが、右の写真のように、明るさが一定でない景色を撮る場合は、露出を固定する機能(AEロック)が必要になります。
※フラッシュも画像によって発光したりしなかったりすると、イメージの差が生じてしまいますので、あらかじめ「発光禁止モード」にしておいた方が無難です
■露出を固定(AEロック)するには
使用するカメラによって方法は異なりますが、絞りやシャッター速度を自由に設定できるマニュアル撮影対応のカメラなら、通常「AEロックボタン」がカメラ本体に備わっています。
最初の画像を撮影する際、シャッターボタンを押す前にモニタで露出を確認しAEロックします。あとは、シャッターボタンだけを次々と押して撮影すればOKです。
■画像ごとに露出が変わると・・・
撮影時、いくら陽が射していても、画像によって景色の明るさがまちまちになってしまうと、ソフト上で合成したとき下の画像のように不自然な継ぎ目が出てしまいます。こうなってしまうと、調整がけっこう面倒になります。
【露出がそれぞれ変わってしまった画像で合成】


【露出を固定(AEロック)した画像で合成】


最初のカットを撮影したら、そのまま水平にカメラを移動(横長のパノラマ写真の場合)させながらシャッターボタンを押します。
このとき、各画像ともそれぞれ30%〜50%の領域が重なるようにして撮りましょう。これはパソコンでのパノラマ合成操作に必要なマージンなのです。
また、画面の水平(
または垂直)を保つようにしましょう。
■撮影のポイント
・適正なホワイトバランスに固定する
・最初のカットで露出も固定する
・ズーム機能を使う場合は一定の倍率で撮る
・各カットとも30%〜50%が重なり合うように撮る
・水平(または垂直)を保って撮る






ただ単に風景だけではつまらないと思う人は、各画像に同じ人物を入れて撮影する方法もありますよ。
これは、カメラを平行移動させるのと同時に、モデルも一緒に移動させて全カットを撮影するというものです。
モデルを同一人物にしてしまえば、フィルムカメラではとうてい撮ることのできないオモシロ撮影になること間違いなし!
ただし、この場合はカメラからモデルまでの距離をつねに一定に保ち、モデルにピントを合わせて撮るようにしましょう。


数あるデジタルカメラの中には、撮った後、パソコンでパノラマ合成しやすいようにパノラマ用の撮影機能を搭載したデジタルカメラもあります。
キヤノンPowerShotS40の場合は「スティッチアシスト」という機能(左図)がそれに該当します。このモードで撮影すると、ホワイトバランスや露出をはじめいろいろな設定が1画像目で固定され、その設定を保持したまま2画像目以降も撮影できます。
そして、それらの画像を PhotoStitch(カメラに同梱されているパノラマ画像合成ソフトウェア)で合成し、パノラマ画像を作成することができます。
なお、オリンパス、カシオなど他のメーカーからもパノラマ撮影用の機能が搭載されたデジタルカメラが発売されています。


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