修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2008.10.15
ファインダー清掃とかで入院していたが、大変な不具合が潜んでいた。
どうも、人種的な要素か?衣服に限らず黒衣のカメラが好きなようです。
加齢によるシブさならシャレになるが、絞り値環の回転の渋さは戴けない。
面倒臭いシャッターを分解しないといけないのか?訳あり品にするか?ブツブツ独り言を言いながらエイヤーと分解することにしました。だって漆黒の瞳が訴えているのです。
擬皮を剥がし、前板部を分離したところです。尚も後玉・座金と外せばシャッターを分離できます。
秒時制御部は大きな変更が無く、僅かスローガバナに仕様上の変更が見られます。
無段階変速スローガバナと呼びましょうか?(車ならAT車でしょうか?)
けれども、手動秒時を選べば従来のスローガバナの働きを致します。
問題は、シャッターの裏側にあります。複雑な機能故に多くの関連部品が取り付けられています。
先ずは、GNカム環・絞り作動環を外してみます。
切歯レバーや数々の部品を外さなければ絞りカム環迄辿り着けません。
部品を外す前に絞りカム環を動かし、手動秒時に関連する部品は之と之、組み合わせ秒時の時は之と之。切歯レバーの組み合わせ位置は、此処かと頭メモリー致します。
やれやれ、問題のある絞りカム環を外すことが出来ました。
シャッター後室との滑走面が汚れと油分の不足で斑な動きをしていたのです。
滑走面を清掃し、油分を塗布しますと滑らかな回転を致しました。
35SPに採用されているヘリコイドは、一部に施条されてない滑空ヘリコイドになっている。
それ故、ヘリコイドグリスの交換は完全施条ヘリコイドに比べ簡単に手入れが可能です。
距離環前部の距離環押さえネジを外し、押さえ環を外せば簡単に分離が出来ます。
又、施条ヘリコイドを外すと組み込み位置合わせが面倒である故、グリスを追加塗布し、回転させ送り込めば簡易的に作業が出来ます。余分なグリスは拭き取ります。
戦車の砲も施条砲と滑空砲とがあり、それぞれ一長一短があるようにヘリコイドにも当てはまるかと思います。
日本橋店中古売場 田口由明
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。