修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2011.08.26
発売された当時、人間の目より明るいレンズがセールスポイント。それにしても大玉である。それに重金属の塊は重い。趣味の世界を逸脱して道楽の世界に入り込む。その目は何を見つめてきたのか?
預かったが、無暗に内側を清掃してはいけない。コーティングが軟らかいのか?安易に清掃しようとすると擦り傷だらけになってしまう。出来れば避けて通りたい。
鏡筒にあるセットネジを緩めると前レンズを外すことが出来る。この時点で前後レンズの内側の清掃が出来る。清掃には十分すぎるほどの注意が必要である。
清掃紙は以ての外、麺棒もいけない。脱脂綿をふわ~っ、とピンセットに巻き付け、力を掛けずに拭くのです。
4本のネジを外し、バヨネット環・締め付け環を分離します。
締め付け座を反時計方向に回すとヘリコイド部と鏡筒部に分かれます。
後レンズが飛び出しておりヘリコイドから抜くときは真っ直ぐに抜きます。
ヘリコイドと鏡筒部の間には製品固有の調整ワシャーが入っています。紛失しないよう別途保管しておきますが、組み込み忘れに注意します。
締め付け座を外すと後レンズが分離できます。接着を緩め保護板を剥がします。
後レンズは二つに分離することが出来ます。
クリックバネ・絞り値連絡板・Cリングを外しますと絞り値環が外れます。
この個体はグリスが乾き鏡筒に貼りついていました。
鏡筒の横にあります絞り値作動軸・Cリングを外しますと、絞り値作動環が外せます。
絞り値作動環の側面もグリスが乾き、本来の働きをしていません。
丁寧に清掃します。
鏡筒側の絞り値作動環との滑走面も丁寧に清掃します。
絞り羽根のカビも清掃し、ベンジンで油分を洗浄します。
絞り羽根を組み込むのは口径が大きい分楽ですね!
それにしても設計した経緯は何なのでしょうか?戦艦大和の主砲と交差します。
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