新・メーカー探訪


現代銘品カメラ列伝3
ミノルタα-807si編
撮影者の意志を反映させる
「好性能」AF一眼の最上位機

日本初の本格的AF一眼レフカメラとして1985年に発売され、カメラ市場に一大革命をもたらしたミノルタα-7000。それから13年を経た現在、αシリーズの後継機は第4世代と呼ばれる展開の中で、さらなる進化を続けています。今回はミノルタをお訪ねして、現在のαシリーズ最上位機種・α-807siの開発についてお話を伺いました。

ミノルタα-807si (1997年発売) α-707si の機能をさらにグレードアップさせた、αシリーズ第4世代の最新機。「大光量ズームフラッシュ」「撮影シーンセレクター」をはじめ、ユーザーの要望と最新の技術を取り入れた高機能を搭載。

多機能とシンプルさ、そして使う人の心地良さを追求。

 αシリーズの基本開発理念は、撮影領域を拡大させるための「多機能性」を追求するとともに、「シンプルな操作性」も両立させ、誰にでも使いやすいカメラとしてユーザーに提供すること。そしてこの理念を根底に置き、シリーズの各世代ごとのテーマに沿った開発がなされているのだ。

 α-7000に始まる第一世代では、それまでなかったAFという新たな機能を我々に提供してくれたが、α-7700iに代表される第二世代ではそのAFをさらに発展させるとともに、多様な撮影状況や撮影者の個性化に対応したオプション機能をカードで付加できる「インテリジェントカードシステム」を導入した。そして第三世代にあたるα-7xiでは、一般ユーザーでも熟練者のように的確な撮影ができるシステム「エキスパートプログラム」を搭載。また、カメラを構えるだけで自動的に撮影準備を完了できる「ゼロタイムオート」など、操作性の自動化・シンプル化をさらに進歩させている。

ミノルタ(株)カメラ開発センター
梶田英夫氏
 「現在の第4世代になると、すでにAEやAFといった技術的な部分ではかなり洗練されていますので、もう一度開発の原点に帰り『撮影者に“心地良さ”を提供するとはどういうことか』を再検討しました。そしてそこから『好性能』というコンセプトに至ったんです」と語るのは、ミノルタ(株)カメラ開発センターの梶田英夫部長。明解な操作性で気持ちよく使ってもらえるという意味の「好性能」は、第4世代の一号機であるα-707siが世界4大カメラ賞を受賞したことでも証明された。そしてこの第4世代の最上位機としてラインナップされたのが、昨年登場したα-807siである。

●ボディ正面
ヘッド部の大きさが特徴的なボディ。大型のストロボを搭載するとともに従来のレンズにも適応させ、デザイン的にまとめ上げた結果、この個性的なフォルムとなった。
●ボディ上面
右側の液晶表示部は、被写体の明るさに応じて照明される。ここにはメモリーした撮影データが呼び出せるほか、撮影シーンセレクターの各モードやAFモードなどが表示される。
●ボディ背面
ファインダー右上の視度調整ダイヤルにより、撮影者の視力に合わせて像や表示の視度調整が可能。下部のアイスタートスイッチを入れれば、構えるだけで撮影準備が完了する。