キタムラがお勧めするこの一品
ミノルタα-9(1998年発売)
5.5コマ/秒の高速連続撮影、最高速1/12000秒、フラッシュ同調速1/300秒、視野率100%のファインダー等々、数々の最新機能を搭載した、ミノルタのフラッグシップ機の名に恥じない逸品。特にその心地よい重量感とシャッター音を、ぜひ一度体験してみてほしい。
昨年12月、ミノルタからαシリーズ最上位機種としてα-9が発売されました。プロやハイアマ向けに発売された、待望の最高級35mm一眼レフカメラです。カメラのキタムラでは「ミノルタの70年に及ぶ技術の集大成」としてリリースされた、この新たなフラッグシップ機α-9に注目し、カメラ担当バイヤーの岩 が直接ミノルタ(株)におじゃまして、その優れた先進性と信頼性をおうかがいいたしました。

■撮影者の気持ちに応えるαシリーズを
超えたミノルタの技術の集大成

 ミノルタからはこれまでにα-9000、α-9xiと、α-9シリーズの上位機種として、高級35mm一眼レフカメラ2機種が発売され、キタムラのお客様方にもご好評をいただいているのですが、今回のα-9で3機種目になるのですが、α-9については、これまでのαシリーズとは少し異なるようです。

「シリーズを超えた、ミノルタαシステムの最上位機種として位置づけています」と話すのはミノルタ株式会社のカメラ第2開発部主任の岡崎純氏。「これまでの2機種を発売した後も、お客様から次の最上位機種を望まれていたのですが、今回はコンセプトといたしまして、プロカメラマンや写真愛好家の期待に応えられるような最高レベルの機能、性能、信頼性、耐久性、操作性、拡張性を全て兼ね揃えた最上位機種。ミノルタとしましても70年の集大成として、3年半の開発期間をかけ、発売に至りました」。プロをはじめとした多くのユーザーの意見に耳を傾けながら、商品企画に1年を費やし、プロに向けての技術開発に1年、その次の年から具体的な製品設計に入り、数多くの試作を繰り返したということです。 

「今回のα-9を開発するにあたりまして、高品位ファインダーと、質感の高い外装に重点を置きながら開発を進めました。ファインダーについては視野率100%、質感では金属外装を達成し、ピントの合わせやすいMタイプスクリーンなど、お使いになる方を撮る気にさせる商品にしたかったのです」と岡崎氏。

ファインダーの視野率を100%にするためには、単に面積だけでなく、寸分狂わぬ位置精度がでていなければなりません。ミノルタでもα-9のファインダー開発では、この点が最も苦労されたそうです。

「これまでのファインダーはピントの合ったところを表示するのに液晶を使用していたのですが、明るいファインダーを達成するために、液晶を止めまして、ペンタプリズムの前から赤色の光を入れて、ピントの合った位置を投影するという新技術を採用し、従来のものより3割以上も明るくしています。

ミノルタ(株)光学機器事業本部 カメラ開発センター カメラ第2開発部21課主任 岡崎 純氏
 この技術は2年以上の試作と検討を繰り返してできたものです」ミノルタのファインダーに対する並々ならないこだわりがうかがえました。

 質感を高めた理由を岡崎氏にうかがうと、「最近のカメラはプラスチック化されておりまして、軽くて自由な形状を低コストで実現できますが、カメラの重厚なシャッター音や重量感は損なわれます。今回α-9では、愛着を持って使っていただきたいので、金属外装を達成し、心地よく撮影をお楽しみいただくためにシャッター音もよくしなければならないと思いました。

 大多数のカバーにはステンレスを用い、底部分は重量のあるダイキャストを使用して、三脚を使用した場合にも、カメラを安定して支持させることができます」と、三脚を使用する機会の多いキタムラのお客様には嬉しいお話を聞かせていただきました。何よりも撮影者の気持ちを大切にされているミノルタならではのお話です。9xiから比べると約150gほど重くなったそうですが、グリップのホールディングがよいので、持っていても重さは気になりません。

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