特集
人間の生活感が入らない航空写真では
人を感動させることはできない。

■広い世界を撮りたいから空撮を選んだのではありません。
空から見た人間の生活を撮りたかったんです。
●先生はそうした危険をおかしても、それでも航空写真を撮り続けておられます。先生にとって航空写真とは、どのようなものとお考えになっているのでしょうか?

 空撮というと普通の方は単に広い地上の風景を撮ることを想像されると思うのですが、私にはその意識はありません。航空写真を撮り始めた最初から人間の生活を空から撮りたいと思っていたのです。

自然の中にも人間の生活、息づかいがあるわけで、そうした人間の生活感が入らない航空写真では人を感動させることができません。たんなる測量写真になってしまいます。私は空から見た人々の息づかいが撮りたいのです。私の写真集のタイトルは「1000feet」というのですが、この1000フィートというのは高度300mのことで、航空法で定められた市街地での最低高度です。同時に家とか車とか人とか、そうした人の息づかいを撮ることができるギリギリの高度なのです。このタイトルは私の「空から人間の生活を撮っているのだ」という思いを託したもので、私の航空写真をあらわしたものなのです。
先生が今年の「フォトキナ」で発表された「AERO-AKTAS 45」。
世界最大のカメラ及び撮影機材のイベントである「フォトキナ」は、2年に一度、ドイツのケルンで開催される。幕張メッセの数倍規模というケルン・メッセ(見本市)を舞台に、世界各国から1,000社以上のメーカーが一同に集う。
 芥川先生はこの「フォトキナ」で毎回新作を発表しておられ、今年はHORSEMAN社のブースの一角にコーナーが設けられた。今回出品されたのは「AERO-AKTAS 45」。
HORSEMAN社のブースの一角に、芥川先生が出品された「AERO-AKTAS 45」のコーナーが設けられた。 「フォトキナ」が開催されるドイツのケルン。
今年の「フォトキナ」の会場入り口。
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