腕自慢部門

審査員 竹内敏信氏
たけうちとしのぶ
1943年愛知県生まれ。名城大学理工学部卒。愛知県庁勤務の後、フリーとなる。風景写真の第一人者として最も人気が高く、多くの写真コンテストの審査委員を務める。写真展、講演会など多数。



毎回のことですが、キタムラのフォトコンテストは本当にレベルの高い作品が集まります。昨年は、紅葉の出来が例年に比べあまりよくなかったせいか、紅葉をメインにした作品は少なかったように思います。しかし、もちろん秋は紅葉だけではありません。今回は、見る者へ何かを訴えかけてくる作品、オリジナリティを強く感じる作品を上位に選びました。さまざまな角度から、自分ならではの秋の風景を探し出し、次回の応募へつなげてほしいと思います。
カメラ:ペンタックス645 レンズ:80-160mm 絞り:f32 シャッタースピード:AE フィルム:フォルティア 使用三脚:スリック

グランプリ寸評:秋の光が差し込み、朝の凛とした空気感が見る者に伝わってきます。前景の猫じゃらしに反射している光と、背景の杉木立にあたっている光の様子がとても美しく、画面の処理も的確でフレーミングも完璧です。まさに日本の秋のひとコマです。
紅葉もなく色彩的にも地味ですが、新しい秋の風景の切り取り方です。作者の力量を実感する一枚です。
夏に比べると室内で撮影した作品が目立ちました。このことにより、犬よりも猫の写真が多かったようです。また、前回同様に昆虫を撮影したものも数多くありました。応募作品のレベルも回を重ねるごとに上がってきていますので、ピント・露出・シャッター速度などの基本的な技術はしっかりと押さえた上で、次のステップとして、自分は何を表現したいのかという主題を、より明確にしていくことが大切だと思います。
審査員 増田勝正氏
ますだ かつまさ/1945年東京都出身。
愛犬雑誌のカメラマンを経て現在フリーの動物カメラマン。アイメイト(盲導犬)のボランティア活動にも参加し、自ら犬、猫の繁殖・育成にかかわっている。
カメラ:ニコンF80 レンズ:28〜80mm フィルム:フジスペリア
グランプリ寸評:犬がフリスビーに飛びつく瞬間をとらえ、広角レンズでスピード感を表現。さらにストロボを使ったことで迫力ある作品になっています。犬と人物の構図も優れています。動物が持っている可愛らしさとは異なる表情を撮った、セオリーにとらわれることのない、大胆な発想の一枚です。
季節感がよく表れていました。多かったのが、芋掘りや稲刈りなどの収穫風景を撮ったものです。屋外での撮影により画面に動きもあり、こども達が自然の中でのびのびとしている表情が印象的でした。また、他の季節と異なり空気が澄んでいるので、空の色や紅葉の背景、さらには秋の日ざしなどで、華やかな色が写し込まれたドラマチックな作品が数多く集まりました。
審査員 沼田早苗氏
ぬまたさなえ/1968年大竹省二氏に師事。1978年フリーの写真家となり商業写真、取材写真を手がけ、ライフワークとして著名な男性のポートレイトを撮影。写真展には「私の写交録」「みんな・みんな・蒼き狼」「もう一人の日本人」などがある。
カメラ:ペンタックス レンズ:200mm
絞り:f5.6 シャッタースピード:250 
フィルム:フジカラー400
グランプリ寸評:秋の日ざしを実にうまく計算しています。逆光の特性を活かすことで、バックの紅葉の軽やかさがきれいに出ました。こども達の髪の毛もきれいに光り、こどもらしい柔らかさがよく表現されています。4人とも同じ服装と髪形をしていますが、表情や手のポーズが違っていることで変化がついて、とてもかわいい作品になっています。
テーマが自由作品ということもあり、バラエティに富んだ作品があつまりました。デジタルカメラで撮影した作品の応募も多数ありました。ホームプリントで楽しんでいる方も多いと思いますが、やはり被写体本来の色彩を再現するには、専門店での銀塩プリントを使うことをおすすめします。そうすることで、より感動が伝わりやすい作品になり、見た人の気持ちが動くことが入賞への近道になります。シャッターを押すことも大事ですが、その後の工程にも気を使っていただきたいと思います。
審査員 サンダー平山氏
サンダーひらやま/1956年千葉県出身。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。CMカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。
カメラ:ニコンD70
グランプリ寸評:第一印象として感じたのが、光の使い方が非常にうまいということです。ポートレートの場合はモデルも重要ですが、その魅力をさらに際立たせるのは光と影の使い方です。今回、人物を撮影した作品は数多くありましたが、構図もよく計算されていて群を抜いた仕上がりの一枚です。
※敬称は略させていただきました。




各種グランプリ

腕自慢部門

※腕だめし部門
テーマ1(いきもの):特選・準特選・入選
テーマ1(こども&赤ちゃん):特選・準特選・入選
テーマ1(自由作品):特選・準特選・入選
テーマ1(いきもの):佳作・カメラのキタムラ賞
テーマ1(こども&赤ちゃん):佳作・カメラのキタムラ賞
テーマ1(自由作品):佳作・カメラのキタムラ賞