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| 毎年上位に選ばれてくる作品は新鮮味があり、常に撮影者の新しい発見があり、それが写真にみごとに表現されている。技術的にも確かなものを持っていて、全体としてレベルが高いが、上位を狙うにはさらに一歩飛び出したものが欲しい。他人とは一味違う、自分独自の表現が必要となる。「よみうり風景写真コンテスト」も５回目を迎え、型にはまった作品が目立ってきた。前年度の入賞作品に引きずられている人がいるのも事実。それぞれの人が自分の目で発見した風景写真であることが大切。自分が心を打たれてシャッターを切ったものと、他人のお手本にならった作品との差は、感動があるかないか、だ。写真は出合いの集積だと思う。出合いがあって初めて感動があり､シャッターを切る。その感動が百パーセント盛り込めれば最高だ。どのように表現すれば人に伝えられるか、常に考えてシャッターを切っていくことが向上につながっていく。自然と人間とのかかわりあいが映し出された生活感ある風景写真との出合いを、大いに楽しみにしている。（田沼武能氏談） |
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| たぬまたけよし／1929年、東京・浅草生まれ。1949年、東京写真工業専門学校卒業。サンニュース・フォトス入社。同時に木村伊兵衛氏に師事。1951年、『芸術新潮』嘱託となる。1965年、アメリカのタイム・ライフ社と契約。1972年、フリーランスとなる。1979年、モービル児童文化賞、1985年、菊池寛賞を受賞。1990年、紫綬褒章を受章。2003年、文化功労者顕彰。主な写真集に『武蔵野』(1974朝日新聞社)、『すばらしい子供たち』(1975朝日新聞社)、『文士』(1979新潮社)、『アンデス讃歌』(1984岩波書店)、『ぼくたち地球っこ』(1985朝日新聞社)、『カタルニア・ロマネスク』(1987岩波書店)、『わが心の残像』(1991文藝春秋)、『東京の戦後』(1993 筑摩書房)、『地球星の子どもたち』(1994朝日新聞社)、『ロマネスク古寺巡礼』(1995岩波書店)、『トットちゃんが出会った子どもたち』(1996 岩崎書店)、『下町今昔物語』(1996新潮社)、『コンニチハ世界の子供たち』(1997岩波書店)、『人間万歳』(2000クレオ)、『輝く瞳世界の子ども』(2002岩波書店)、『60億の肖像』(2004日本カメラ社)などがある。 (社)日本写真家協会会長。 |
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| たけうちとしのぶ／1943年愛知県生まれ。名城大学理工学部卒。愛知県庁勤務の後、フリーとなる。主として35ミリ一眼レフカメラを駆使し、鋭敏な感覚と的確なテクニックで自然の映像化に挑戦しつづける。風景写真の第一人者として最も人気が高く、多くの写真コンテストの審査委員を務める。写真展、講演会など多数。アマチュアの指導にも力を入れている。主な写真集に「花祭」（誠文堂新光社）、「天地」「天地聲聞」（出版芸術社）、「天地風韻」（日本芸術社）、「水の変幻」（文一総合出版）、「芭蕉百吟」「燦（きらめき」（春陽堂書店）、「雪月花」（トーキョーセブン）、「櫻」「山櫻」「櫻暦」（出版芸術社）、「欧羅巴」（小学館）、「花風景」（日本カメラ社）、CD-ROMに「雪月花」（トーキョーセブン）、「風景遺産」（シンフォレスト）などがある。日本写真家協会理事。東京工芸大学 日本写真芸術専門学校現代写真研究所講師。 |
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