※当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。


審査員 三好和義氏
みよしかずよし / 1958年、徳島県生まれ。13歳の時に沖縄を訪ねて以来、タヒチ、モルディブなど、世界各地で「楽園」をテーマに撮影を続けている。写真集『RAKUEN』で木村伊兵衛賞を受賞。日本ユネスコ協会の依頼で公式に日本の世界遺産全てを撮影。2004年藤本四八写真文化賞を受賞。四国八十八ヶ所の作品は切手にもなって発行されている。当コンテスト審査員の他に、JPS展やアサヒカメラなどの審査員も勤める。

 



腕自慢部門は四つ切サイズの応募なので、迫力が出ます。応募者も大きくプリントすることで、満足感が得られたのではないでしょうか。微妙な紅葉の色の違いなどは、大きくプリントすることでうまく伝えることができます。写真をより上手くなるためには、コンピューター上だけで見るのではなく、このように大きくプリントすることが非常に大事です。撮影しているその場では気づかなかったことや、カメラの液晶画面ではわからなかったことが、大きな画像にすることによって、わかるはずです。

グランプリ寸評
筋状の光が差し込んでいるところに、人物がちょうどいい具合に配置されて、非常に格調の高い作品になっています。逆光で透けている紅葉や、光っている川面が効果的で、画面の隅々まで計算された緊張感のある仕上がりになっており、作者の手ごたえもストレートに感じられます。いいシーンに出会った喜びを感じる、ストーリー性のある一枚になっています。



「自由」テーマの方は人物を写したものにいい作品がありました。紅葉とは違った色とりどりの画面が楽しめました。風景に比べると題材が自由なので楽しみながら撮っていることが感じられます。いろいろな作品のバリエーションがあるので、審査する方も楽しみながら審査しました。「秋の風景」テーマの応募で多かった紅葉を写した作品は、どうしてもイメージが暗くなりがちですが、この「自由」テーマは花や朝陽があったりと、いろいろな色が見られて楽しい感じになっています。美しい日本の四季をカメラで記録するのは大事なことです。身近なところで美しい題材を見つけるのは、とても楽しいことだと審査をしていて感じました。

グランプリ寸評
一面のコスモスと明るい笑顔により、暗くなりがちなお遍路さんの世界が、今までの悩みが吹き飛ぶような明るい一枚に仕上がっているのが、とてもいいと思いました。広角レンズで撮ることにより、手前から奥までピントが合っていて、人物の顔の影になった部分も非常によく写っています。プリントの仕上がりもとてもきれいな作品です。

今回は前回や前々回の入賞作品に似たものが多く、やや独創性に欠けていたかなと思います。何かもうひとつ見方を変えていただくことが必要ではないかと思いました。その中で、鯉の口を広角レンズで撮影した準特選の作品がありますが、これなどは今までになかった面白さを感じます。ひとつの方向からだけではなく反対側からも撮ってみるとか、被写体がいつもと違う様子を見せた時に撮るなど、考えながら撮ることをおすすめします。それにより今までとはひと味違う作品が生まれるのではないでしょうか。
審査員 増田勝正氏
 ますだ かつまさ/1945年東京都出身。
愛犬雑誌のカメラマンを経て現在フリーの動物カメラマン。アイメイト(盲導犬)のボランティア活動にも参加し、自ら犬、猫の繁殖・育成にかかわっている。
グランプリ寸評
今回のグランプリはエゾリスを撮影した作品です。この作品は見る人に幸福感やゆとりを感じさせます。のびのびとしたエゾリスの表情がよく、目の輝きや松ぼっくりを持っている姿もかわいらしくとらえられています。しかも、逆さまの姿になっている時にシャッターを切ったことで、エゾリスの特長をよく表現できています。まさにグランプリにふさわしい作品です。
秋の行事の芋ほりや運動会を写した作品が多く集まりました。また、コスモスと一緒のところを撮ったものもかなりありました。しかし、カメラがコンパクトになってきているからなのでしょうか、手ブレしているものが多かったのが残念です。こどもは動きが激しいので、どうしてもあわてて撮ってしまうのではないでしょうか。また、子どもを上からの俯瞰で撮影しているものが目立ちました。いけないわけではありませんが、少し不自然な印象を受けましたので、自然な表情でイキイキしているものや、背景をうまく処理している作品を上位に選びました。
審査員 沼田早苗氏
ぬまたさなえ/1968年大竹省二氏に師事。1978年フリーの写真家となり商業写真、取材写真を手がけ、ライフワークとして著名な男性のポートレイトを撮影。写真展には「私の写交録」「みんな・みんな・蒼き狼」「もう一人の日本人」などがある。
グランプリ寸評
長いレンズを使って背景をボカし、子どもの表情が立体的に浮き出るように撮影されています。背景の処理がとても上手で、光も半逆光なので髪や肌が柔らかく表現されています。右奥に樹を入れることによって奥行きも出ています。そして、小さな手でつかんだ落葉も半逆光できれいに輝いて軽やかな感じになっています。秋の雰囲気が画面いっぱいに感じられる作品です。
応募作品のほとんどがデジタルカメラで撮影されたものですが、パソコンを使って自分でクオリティの高いプリントをするのは結構難しいものです。自分でプリントするのは限界がありますが、キタムラグループの銀塩プリントを使えば、誰でもいい仕上がりのプリントを手にすることができます。デジタルカメラは撮った後が大事です。いいプリントにして作品として残すことが、写真を楽しむためのコツです。
審査員 サンダー平山氏
サンダーひらやま/1956年千葉県出身。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。CMカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。

グランプリ寸評
ペンギンの親子ですが、本物ではなく彫ったものです。しかし、大変に愛情が感じられる作品です。人の心に訴えかけることができるのは、写真が持っている力のひとつです。この作品は、見た人の心が暖まる一枚になっています。真正面からで親鳥の表情はわかりませんが、親子の会話も聞こえてくるような作品です。


※敬称は略させていただきました。
※当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。


各種グランプリ



※腕自慢部門
テーマ1 秋の風景:特選/準特選/入選/キタムラグループ賞 テーマ2 自由:特選/準特選/入選/キタムラグループ賞
 
※腕だめし部門
テーマ1 いきもの:特選/準特選/入選
テーマ2 こども&赤ちゃん:特選/準特選/入選
テーマ3 自由:特選/準特選/入選
テーマ1 いきもの:佳作/キタムラグループ賞
テーマ2 こども&赤ちゃん:佳作/キタムラグループ賞
テーマ3 自由:佳作/キタムラグループ賞