自分の心を見つめ、それぞれが持っている
新しいこころの風景を表現した作品に期待
非常にバラエティに富んでいる作品に驚いた。「こころの風景」というところに皆さん重きを置いて応募されている一方で、スケールの大きな風景写真とか本格的な自然の写真に少し欠けていたのではないかという印象も持った。また、我が心というかそれぞれ持っている心、新しいこころの風景を作り出すような若い人たちの作品も少なかったのではないだろうか。コンテストを通して「新しいこころの風景」を作り出して行くくらいの気持ちで応募してもらいたい。また自然の営みとか、風景でもそこにペーソスを感じるような。ただ表面的な風景だけでなく、そういう所にまで踏み込み自分の心を見つめ、表現して行くような写真を期待したい。
風景写真は「待って撮る」と言われるが、そうしているとどうしても今までの風景をひきずるような感じになってくる。むしろ、自分の前に開かれている現実からどういう風景を自分が見てゆくか、どういう自然に興味を持ってゆくか。常に新しい出会いを大事にする。そこから、風景を新しい意識で見るということが生まれてくるのではないかと思う。
また自分が興味を持ち心惹かれたものにカメラを向け、シャッターを押す前には再度、画面の四隅をしっかりと見ること。そして自分が撮りたいものを邪魔するものをできるだけ省く。必要ないものをきちんと画面からはずすことが必要だ。言い換えれば「引き算」して行くことで、自分がとらえたいものを相手に伝えることができると思う。 |