人と自然とのドラマチックなかかわり、見ごたえのある
ストーリー性が感じられると作品の内容も広がる
「このシーンはすごい」という臨場感あふれるダイナミックな写真が多く、楽しみながら審査をした。プロという立場ではなく「写真が好きだから、自分もそこに行ってみたい、撮ってみたい」と純粋に思わせるような写真が多かった。見たことの無いシーンも多く、それをまとめた写真集を毎年楽しみにしている。審査ではきれいなだけの風景写真ではなく、人と自然とのドラマチックなかかわりが大事なポイントだ。見ごたえのあるストーリー性が感じられると作品の内容も広がる。風景写真も情報が行き渡り、撮り尽くされた感じもあるが、作品を見る限り、まだまだ新鮮なものが毎年出てきているのは楽しいことだ。
デジタルカメラが出てきて暗い場所をきれいに収めた作品が目に付いた。目には見えるが写真にはこれまで撮れなかったようなシーンが良く撮れていると改めて感じた。またデジタルからクリスタルプリントへの完成度が高くなり、プリントのきれいな作品が回を重ねるごとに増えている感じがする。反面、自家製プリントの質が低く「合成ではないか」と思わせるような彩度を上げて作り込んでいる不自然なものもあった。撮影時の元データが素晴らしくとも最終作品が悪いと何にもならない。 |