作者の声が聞こえてくるような作品が
最終的には入賞する。
写真は科学であり、機械を介して表現する芸術だが、出来上がった作品は一枚一枚が違う。作品から作者自身の声が聞こえてくるような、説得力のある作品が最終的には入賞する。東日本大震災が起きた2011年は「復興への道のり部門」が新設された。幅広い世代から応募があったが、技術的な差はあるにせよ、その人にとって人生に残る大きな出来事として、このテーマで撮影した意義は大きい。コンテストである以上は、入賞をめざすのは当然だと思う。しかし、賞はあくまでも結果だ。賞のことばかりを考えて撮影していると、心は貧しくなってしまう。賞以前に、自分なりの感性を出し切って撮影すれば、それが人々の心をとらえる風景写真になる。その気持ちを決して忘れないでほしい。 |