「日本の祭り」写真コンテスト

入賞作品発表「日本の祭り」写真コンテスト2012に、たくさんのご応募ありがとうございました。
全国から寄せられた応募作品総数12,355点の中から、
見事に入賞された方々の作品を、ここに発表させていただきます。

 

腕自慢部門 総評:
 昨年は各地で祭りが盛大に行われ、日本列島全体に元気をもたらしました。最終審査に残った作品はどれもプリントの調子が良く、グランプリは昨年見事復活した相馬野馬追を捉えた平野氏の「力走逞しく」。4万人の大観衆を背景とした甲冑競馬に7Dと望遠レンズの相性の良さで、迫力ある場面です。
腕だめし部門 総評:
 腕だめし部門は写真のレベルもずいぶんと上がり、腕自慢と遜色のない作品が集まる傾向となりましたが、審査はシャッターチャンスとオリジナリティに重点がおかれました。グランプリは大雨の中で「雨に嬉し(よさこい祭り)」の平井氏。カメラマンも被写体も、よくぞがんばった力作です。

はが ひなた/祭り写真家。朝日新聞社「週刊日本の祭り」全30巻「祭りを撮る」を連載。2012年PHP研究所「日本の祭り大図鑑」監修など。2012年6月「被災地の夏祭り」写真展。鹿児島市おはら祭審査委員長。日本写真家協会会員。

腕自慢部門 総評:
 グランプリ作品は地響きさえ聞こえてきそうな迫力に圧倒されました。舞い上がる砂埃で効果的に省略された画面のトリミングも適切です。上位作品では、望遠レンズをうまく使って祭りの勢いを画面に封じ込めたものや、広角でも対象との距離感をうまく取って散漫にならない構図を心がけた作品などが目立ちました。

腕だめし部門 総評:
 今回のグランプリ作品には驚かされました。傑作には悪天候も味方をするのですね。作者は土砂降りにもかかわらず果敢に撮影を続けました。ずぶ濡れでも元気に笑う踊り子さんの表情からは、祭りの高揚感がビシビシと伝わってきます。シャッターチャンスは祭りのハイライトシーンだけではない、というのがこの部門の特徴です。

いたみ こうじ/福岡県生まれ。法政大学法学部卒業。元「日本フォトコンテスト」(現-フォトコン)の編集長。公益社団法人日本写真協会(PSJ)理事。NPO法人フォトカルチャー倶楽部理事。

腕自慢部門 総評:
 グランプリ作品は人馬一体となった力強さと美しさに思わず目を奪われますが、それだけにとどまらず、大震災からの復興にとりくむ地域の人たちの明日への希望を伝える表現のように感じます。その他の上位作品もまた、卓越した撮影技術に加え、祭りへの深い理解と共感が表現をささえている傑作揃いだと思います。
腕だめし部門 総評:
 降りしきる雨の中で笑顔を絶やさない踊り手もすごいですし、それを見事にうつしとった作者もすごい。グランプリ作品は長く記憶に刻まれる名作でしょう。今回は両部門を通じて技術水準が高い印象です。女性が両部門のグランプリになったのは偶然ですが、女性の優れた応募作品も多数あり、アマチュア写真界も変わりつつあることを実感しました。

ひらしま あきひこ/写真家、編集者。1946年生まれ。早大政経学部卒。毎日新聞社出版写真部長・ビジュアル編集室長など歴任。共著に『昭和二十年東京地図』、編著に『宮本常一 写真・日記集成』など。

 
特選
特選

「祭りも最高潮」
山口正明
(千葉県南房総市)
撮影地:千葉県

「さんばいし神楽」
西山 敦
(新潟県新潟市)
撮影地:新潟県
特選 特選
「サラリーマン・ストレス解消」
大井幸枝
(山口県萩市)
撮影地:岡山県
「溢れる若さ」
木須勝次
(長崎県佐世保市)
撮影地:長崎県
特選 クラブツーリズム賞
「宵山 よいやま(ヤマ)」
池田新一
(大分県中津市)
撮影地:佐賀県
「山里の彩り」
小島 美佐子
(東京都中野区)
撮影地:埼玉県
 
特選
特選
「春爛漫」
川端岳郎
(東京都江戸川区)
撮影地:山梨県
「祭りに心でスキップ」
大薮金光
(岐阜県各務原市)
撮影地:愛知県
特選 特選
「龍野武者行列」
森本正幸
(大阪府豊中市)
撮影地:兵庫県
「笑顔はじけて」
小林陽三
(広島県尾道市)
撮影地:広島県
特選 クラブツーリズム賞
「西日を浴びて」
高鷹るみ子
(福岡県福岡市)
撮影地:大分県
「歓声が聞こえる」
中丸了彦
(埼玉県入間市)
撮影地:茨城県

※敬称は略させていただきました。