たくさん写真を撮り、自分の作品について 考える努力をし続けることが向上につながる
毎年新しい「こころの風景」が応募され、それらの作品に出合えることが審査員としての楽しみの一つだ。1万点を超える応募は長年の積み重ねの成果であり、内容も中級以上でレベルの高さが光った。それだけに、全作品の中から入賞を選ぶのは困難であり、きつい作業であった。全体的には数多く応募されている県と少ない県があったが、全体のレベルで合わせて審査しているので、都道府県によって、入選枚数は異なってくる。近年は特に若い人の台頭が目立つ。選からもれても大いなる可能性を秘めた作品も多く、ベテランだけではなく、写真を始めたばかりの人も好奇心とチャレンジスピリットをもって、被写体に向かっていただきたい。自分の感性を磨き、努力していけば、誰でも傑作を撮れる可能性がある。まずはたくさん写真を撮ること。次に自分の作品をじっくり見ること。そして自分なりの評価をすること。これらの努力を繰り返すことによって、次なる上達のステップに進むことができる。現在はカメラの性能が良くなっているので、露出やピントの失敗は少なく、きれいに写ることは当たり前だ。しかし、いくらきれいな風景でも何気なく撮った写真には人の心を動かす感動は見られない。大切なのは何をテーマにして撮るか。そこでどのような新しい発見をするか、そして自分が受けた感動をいかに画面に写し込むことができるかが重要だ。その感動が審査員に伝わるか否かで、賞に選ばれる結果につながる。「こころ」が震えるような感動を写真で表現してもらいたい。 |