「日本の祭り」写真コンテスト2018に、たくさんのご応募ありがとうございました。
全国から寄せられた応募作品総数6,670点の中から、見事に入賞された方々の作品を、ここに発表させていただきます。
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総評
審 査 員
芳賀日向 氏
はがひなた/祭り写真家。朝日新聞社「週刊日本の祭り」全30巻「祭りを撮る」を連載。2012年PHP研究所「日本の祭り大図鑑」監修など。2012年6月「被災地の夏祭り」写真展。鹿児島市おはら祭審査委員長。日本写真家協会会員。
総評完成度の高い写真作品が、毎年これほど多く応募されてくることに、いつもながら感心しています。今年のグランプリ作品は、尾道瀬戸田「観月祭」を題材にしたものですが、今回のようにスケールが大きく幻想的で、且つ祭り全体を正確に描写した作品は初めてだと思います。何よりも、行事を包む周囲の海と空の宵闇の美しさが際立っています。 他に、有名な祭りであっても独自の新しい視点で切り込んで作品化した力作も目立ち、まだまだ多様な表現の可能性があるものだと感心した次第です。 一方、あまり知られていない地域の小さな伝承行事を取材し、素朴で人間味溢れる祭りの良さを作品化した作品も増え頼もしい限りでした。
審 査 員
板見浩史 氏
いたみこうじ/福岡県生まれ。法政大学法学部卒業。元「日本フォトコンテスト」(現-フォトコン)の編集長。公益社団法人日本写真協会(PSJ)顧問。NPO法人フォトカルチャー倶楽部理事。JPO(一般社団法人 日本フォトコンテスト協会)代表理事。
総評本年度は例年にもまして熱のこもった作品が多かったという印象をもちました。写真表現においては、撮影はもちろんのこと、その以降の作り込みが大切です。今回の特徴の一つは、ていねいにプリントした作品が目立ったことです。もう一つは、個性的な表現を確立した作家性のある写真家が増えてきていることです。これは驚いたばかりでなく、写真界の将来にとって喜ぶべきことではないかとおもいました。祭りはいざ写真に表現しようとすると、マンネリに陥りやすく、創意や工夫がなかなか難しいものです。グランプリを受賞した福岡輝治さんの「観月祭」をはじめ上位入賞の作品は、その壁を見事に乗り越えたもので、これまでにない祭りにたいする視点を感じました。
審 査 員
平嶋彰彦 氏
ひらしまあきひこ/写真家、編集者。1946年生まれ。早大政経学部卒。毎日新聞社出版写真部長・ビジュアル編集室長など歴任。共著に『昭和二十年東京地図』、編著に『宮本常一 写真・日記集成』など。
※敬称は略させていただきました。
総評6,670枚の応募作品を3人の審査員が厳正に審査いたしました。今回は2つの部門からグランプリおよび上位作品を選定しました。作品として審査員の目を惹くのはプリント作りの出来映えと独創性です。グランプリ「観月祭」はショー的要素のある行事ですが、色彩の美しさを引き出す構図が素晴らしかったです。特選「標高1955m」はプリントをうまく仕上げればグランプリを競えたでしょう。「河童の笑顔」は、祭りの手作り感が微笑ましく思いました。準特選の「練供養」の大胆なアングル、他の上位作品も独創性を高く評価しています。今回は応募作品の返却がなくなり、予選通過の過程が応募者に伝わりませんでした。今後、主催者一同改善に向けて努力します。