「日本の祭り」写真コンテスト2019に、たくさんのご応募ありがとうございました。
全国から寄せられた応募作品総数5,588点の中から、見事に入賞された方々の作品を、ここに発表させていただきます。
当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。
総評
審 査 員
芳賀日向 氏
はがひなた/祭り写真家。朝日新聞社「週刊日本の祭り」全30巻「祭りを撮る」を連載。2012年PHP研究所「日本の祭り大図鑑」監修など。2012年6月「被災地の夏祭り」写真展。鹿児島市おはら祭審査委員長。日本写真家協会会員。
総評今年は応募数こそ多くはなかったものの、最終審査に残った作品の中には優れたものが目立ったように思いました。特にグランプリ受賞作品は、静謐で神聖な気配を感じさせながらも、祭りを引き継いでゆく若者たちの真面目で瑞々しい気持ちをも垣間見せてくれる傑作でした。祭りを撮るということは、単に神具や衣装を撮るだけでなく、演じている現代人の存在感も同時に捉えることだと改めて思った次第です。一方「微笑みとふれあい」コースのトップも、世代を超えた祭りの絆を感じさせる大変に優れた作品であったことも特筆しておかなければなりません。この日本には魅力的な祭りがまだたくさんあり、撮影のアプローチも限りないと思います。来年も皆さんの健闘を期待しています。
審 査 員
板見浩史 氏
いたみこうじ/福岡県生まれ。法政大学法学部卒業。元「日本フォトコンテスト」(現-フォトコン)の編集長。公益社団法人日本写真協会(PSJ)顧問。NPO法人フォトカルチャー倶楽部理事。JPO(一般社団法人 日本フォトコンテスト協会)代表理事。
総評写真審査をしながら先ず気づいたのは、「日本の祭り」コースも「微笑みとふれあい」コースもふくめ、ていねいにプリントされた作品が例年にも増して多かったことです。これはデジタルシステムによる表現技術が写真愛好家の間に広く浸透し、かつ成熟しつつあることを反映しているとみられます。もう一つは、この人ならではと思われる個性的な作風を身につけた写真家の方々が、全国各地で増えつつあることです。今回のグランプリに輝いた長吉秀さんはそうした作家性のある写真家の代表的な存在で、2016年度にもグランプリを受賞されています。適確な狙いと鋭い観察に加えて、被写体の人たちへの思いやりが画面に溢れているのが素晴らしいと思います。
審 査 員
平嶋彰彦 氏
ひらしまあきひこ/写真家、編集者。1946年生まれ。早大政経学部卒。毎日新聞社出版写真部長・ビジュアル編集室長など歴任。共著に『昭和二十年東京地図』、編著に『宮本常一 写真・日記集成』など。
※敬称は略させていただきました。
総評2019年の応募作品は5,588点で審査員3名による厳正な審査を行いました。グランプリの長氏は2016年のグランプリ受賞者です。祭りのハイライト場面ではなく、ふとした瞬間に長氏独特の写真観が表現されていました。「微笑みとふれあい」コース特選の田中氏は子供歌舞伎で指導者と信頼を寄せる子役の作品で、1枚の写真の中にドラマが見えました。「日本の祭り」コースの徳地氏の作品は、お手本となるような迫力の神輿の火渡り、炎の中で神輿を担ぐ男の表情が見事に表現されていました。今回別の部門への応募であればもっと上位なのではと思われる作品が何点もありました。2つの応募部門はそれぞれ選考基準が異なりますので、応募前に過去の受賞作品をご覧いただき、ご自身の作品はどちらの部門に向いているのか、ご確認ください。