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審査員

審査員 永原耕治
隔月刊『風景写真』編集長

1978年東京生まれ。隔月刊『風景写真』編集長。
早稲田大学大学院在学中に渡露し全ロシア映画大学留学。
大学院中退後、Rat Hole Gallery(東京)のディレクターを務めたのち、
写真美術館のIZU PHOTO MUSEUM(静岡)学芸員を経て、
2014年に風景写真出版入社、2020年より現職

最優秀賞

妖艶

阪口幸雄

画面一杯に捉えられた風格あるシダレザクラと白い花を付けたうら若き桜。ソフトフィルターと
ブルートーンの効果が相まって、早朝の清潤な空気の中、じっと見つめていると両者がざわざわとうごめき出し、
何やら言葉を交わしているかのような怪しい世界へと誘われます。妖艶な雰囲気と細密な描写が共存し、
確かな技術とスケール感を感じさせる素晴らしい作品です。(永原耕治)

優秀賞

富士遠望

渡辺英基

最近流行のドローンではなく、富士山遊覧の飛行機から撮影した作品とのこと。たなびく春霞の上に冠雪の頂を出し、
朝の斜光を受ける富士山の凜々しい姿が印象的です。目を下に転じれば、ガラス越しの撮影ながら、
編み目のように伸びる道と建物が驚くほど細かくしっかりと描写され、海に流れ込む河川が作るグラデーションの
描写も目を引く、見所満載の写真です。(永原耕治)

入選

優しい時間

安彦嘉浩

冬には珍しく霧が発生した朝の撮影とのことで、シンプルな画面に薄桃色に染まる明けの空のグラデーションが美しい作品です。漂う霧が周囲のディテールを単純化してくれたため、たたずむ木々にいっそうの情感が宿りました。その木に巣くうヤドリギたちが、身を寄せ合って暖を取るモコモコとした生き物のようにも見えてくる、優しさに包まれた作品です。(永原耕治)

暮行くとき

川浪義光

撮影の人気スポットとなった御輿来海岸で、干潮を迎えた干潟に夕日という絶好の機会に撮影されています。逆光にくっきりと浮かぶブルーの干潟模様も申し分なく、有明海に沈む夕日に空は霞の影響で一段とオレンジに染まり、まさに絶景です。干潟を歩く人影と沖の〝海苔ひび〟も、ここを生活の糧とする人々の存在を感じさせ、良いアクセントになっています。(永原耕治)

深山幽谷

竹田将仁

肺の奥深くまでしっかりと吸い込みたくなるようなマイナスイオンに満ちた風景です。漂う川霧と湿潤な空気に清く流れる水、そして生命力溢れる森の息吹が感じられる画面周辺部までの細密な描写と、深く豊かな環境が作るこの場の臨場感を余すところなく写し止められています。いつまでも眺めていたい景色です。(永原耕治)

特別賞

悠久の時

真弓 恭

故事のあるどこかもの悲しい池に、満開の桜がその枝を差しかけています。夜明け前のブルートーンが辺りを包み、昨晩の宴の名残のように水面には落ちた花びらが静かに池を漂っています。流れる花筏の表情と鏡面のような池の描写とのコントラストに引き込まれ、取り囲む桜たちとともにこの池が過ごしてきたであろう長い年月に思いが巡る作品です。(永原耕治)

共催

カメラのキタムラ、風景写真出版、
富士フイルムイメージングシステムズ

※審査・審査結果に関するお問合わせにはお答えしかねます。
※応募作品の返却はございませんのであらかじめご了承ください。


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