写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.01.16
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
鹿児島県といわれますと、九州最南端、桜島、西郷隆盛などがイメージとして浮かびます。ところが「薩摩」となりますと俄然、様々な歴史や多くの言葉が出てきます。大辞林を開けてみますと「薩摩揚げ」「薩摩芋」「薩摩糸雛」「薩摩馬」「薩摩がすり」「薩摩人形」「薩摩辞書」「薩摩焼き」「薩摩隼人」「薩摩版」などなどが並び、このほか薩摩暦、薩摩飛脚といった言葉もあります。これらは日本の歴史を動かしたり、風習や学問に強い影響を与えてきています。
こうした歴史を産んできた薩摩半島の最南端に揖宿郡山川町があります。その昔は島津藩の琉球貿易港として、現在は漁業基地、漁港として栄えています。町内の各所に温泉が湧出しているのも大きな特徴でしょう。九州の最南端ですから、冬も暖かく日本の無霜地帯にあります。暖流黒潮の影響を受け、霜雪とは縁の薄い地域です。それだけに冬期にあっても花作りが盛んに行われています。
山川町が指定している花は金魚草、1月中旬から3月上旬まで咲いています。特に長崎鼻の海岸沿いでは花作りが盛んで、数十万本が咲き乱れています。明るい赤の花が目立ちますが、白、ピンク、黄色など色とりどりです。金魚草はその名の通り、金魚に似ていることからその名前がついています。様々な色の金魚草が並んでいるところでは、顔を横向けにして眺め「金魚鉢を覗いているようだ」と、鑑賞の仕方も一般の花とはちょっと違った風景も見られます。
景観ももちろん、素晴らしい所です。薩摩富士(開聞岳)が間近に見られ、よく晴れた日には海岸から対岸の大隅半島、南側を眺めれば島々が散見できるのどかな風景が続きます。
ところで、俳句の世界ではこの金魚草の季語は夏ですから、この山川町がいかに暖かいかが想像できるでしょう。冬にこんな温暖で花に囲まれた所でカメラを抱えて、フォトハイクができたら最高でしょうね。
金魚草は50cmほどの高さにありますので、写真を撮り易い花といえます。花を大きく接写するのもひとつの方法ですが、景色がよいのですから、特に背景をうまくあしらった構図を考えてシャッターを押したい所です。
背景など遠景を意識的に入れる場合、カメラの機能、撮影時の明るさなど条件にもよりますが、オートやプログラム撮影では花だけが目立ち、背景が完全にボケて、ほとんど写っていないことにもなりかねません。絞り優先で、可能な限り絞り込んで背景を活かすようにしてください。
[交通アクセス]
JR西鹿児島駅→約1時間30分→山川駅→バス約20分→長崎鼻
[問合せ]
山川町役場観光課 0993-34-1111
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