写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
1999.01.16
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
天気予報は冬季に暖かい日があると、12月いっぱいまでは「10月下旬並の暖かさ」と、時節を戻して表現しますが、年が明けた1月からは「3月上旬並の暖かさ」と、これから先の温度を基準としています。この先の表現が多くなるのはやはり2月に入ってからでしょう。現在は二十四節季では大寒で、2月4日の立春までもっとも寒い時期になります。
とはいえ、着実に春に向かっているのは間違いなく、すでに梅の便りが聞かれるようになってきました。梅は桜のような派手さはありませんが、僅かなながらも春の息吹を感じさせてくれ、寒い厳しさの薄皮を一枚、そっと剥がしてくれる味わいがあります。梅を見ながら茶会をひらくならば、その気分はさらにアップするのではないでしょうか。そんな席を設けてくれるのが観音寺市での観梅茶会でしょう。
この茶会は梅を観賞するのにうってつけの名称である琴弾公園の、雅之郷(みやびのさと)にある茶室で行われます。周囲には黒松林で、梅は木古が数本あるだけの観梅です。しかし、この木古、蕾もそれを支える額も緑色をしており、小さい純白の花は梅のなかでも品格といい、清楚さといい、最高の逸品とされています。(写真の梅は雅之郷のものではありません)
この茶会はちょっと先になりますが、2月14日(日曜日)に予定されています。入場料に 500円かかりますが、茶室でお茶を喫して(茶会は午前10時から始まります)の観梅料としては安いものでしょう。
ところで、この琴弾公園は瀬戸内海に面した有明浜、松の美しい琴弾山に登れば瀬戸の島々が一望でき、季節ごとに梅、桜、ツツジ、藤、サザンカと様々な花を見せてくれる琴柱池、琴弾八幡宮の社領などがあって、変化に富んだ公園です。園内には水琴窟(すいきんくつ=地中に埋められたかめの中の水面に落ちる音が琴を奏でるような風雅な音色を出す)があり、耳からも風情を楽しませてくれます。
また市街地から公園に通じる三架橋は満潮時には川面に手が届きそうな財田川河口にあって、昭和10年にかけかえられたコンクリート製の橋で3つのアーチからなっていることから三架と命名された思われますが、以前は八幡宮に参賀することから参賀橋と言われ、参賀に三架をかけるなど洒落の分かる人達が多い街なのでしょうか……。
この観音寺市は香川県西部にあって、隣は愛媛県になりますが、観音寺の名が示すとおり、平安時代初期、神宮寺に弘法大師が観音像を祀ったことから生まれ、門前町として栄え、今に歴史を残す地名や文化財も多々みられます。
伝統工芸として、着物やふとん地に使われていた讃岐のり染、豪華な刺繍の金糸銀糸装飾刺繍、200の工程にもおよび子供の祝い事には欠かせなかったといわれる節句人形、我が国独特の美しい文様を持つ讃岐かがり手まり(写真)などがあります。しかし、残念ながらこれらを伝承する人達が年々少なくなっています。今年3月には、こうした品々の作り方や展示を市民に伝えてきた習俗館が閉鎖されるということですから、訪問した際には是非、見学しておきたい場所です。
ところで、博物館や展示場で工芸品などを撮影する場合、薄す暗らかったり、ケースに入っていてガラス越しに撮らなければならないことが多く、撮影条件としては厳しい場所です。
周囲の状況によっても異なりますが、基本的には1)高感度フィルムを使用する 2)カメラを構えてガラスの反射が出ない位置を探す 3)ガラス越しに撮影する場合はカメラのレンズ面をガラスに接触させると反射が少なくなる 4)ストロボ使用では僅かでも光線を作れるようにカメラ本体から離して発光できるストロボが有利 などが挙げられます。
また、こうした場所では守らなくてはならないことが種々あります。まず撮影する時は撮影が可能かどうかの確認を取ってから行動するようにしましょう。ストロボ・三脚の使用禁止もありますので注意し、周囲に迷惑が掛らないようにしたいものです。
[交通アクセス]
JR予讃線観音寺駅→仁尾バス5分→琴弾公園口→徒歩7分→雅之郷
[問合せ]
観音寺市観光協会 TEL 0875-23-3933
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。