写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.04.03
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
桜だけでなく、各種の花もたけなわとなり、各地で盛んに春まつりが開催されています。ここ岐阜県美濃市も美濃まつり(花祭り)、ひんここまつりがほぼ同時に開催され、朝市も一段と活発化してきます。美濃まつりは毎年4月の第2土曜日、日曜日に、ひんここは第2日曜日のみで紅葉の時期にも行われる五穀豊穣に由来するまつりです。
美濃といえば、織田信長の義父にあたる斉藤道三を思い浮かべますが、道三に関する歴史的な史跡やまつわる話が地元であまり伝えられていないのは残念なような気がします。戦国の下克上の世界にあって、道三よりももっと悪辣な人達がたくさんいるのに、油売りから主君を欺いて城主になったことがあまりにも有名であったために、嫌われたのでしょうか。
ともあれ、美濃まつりは八幡神社の伝統ある祭礼で、行事を大きく分けると、土曜日が主体の花みこし、日曜日のメインになる山車、そして土・日曜日にかけての夜に行われる流しにわか(仁輪加)になります。花みこしは、桃色に染めた紙の花を“しない”に飾ったみこしが町を練り歩きます。“しない”といっても剣道の竹刀ではなく、柳の枝がしなっているような感じで、そのしないを1基のみこしに200本以上飾り付け、30基ほどが出陣しますから絵になります。また、山車は練り物を従えての行列となります。
流しにわかは仮装をしたりしますが、喜劇、寸劇、漫才を楽しむといった雰囲気になります。寸劇の最後に“落ち”がつくのが特長です。にわかは江戸時代に全国的で流行したといわれていますが、残っているのはこの美濃よりも西の地方がほとんどで、美濃にわかは上演してあちらこちらを歩いたことから、特に「流し」の言葉が冠しているようです。現代を風刺して、総理大臣が現れたりもして、面白く、珍しい催しです。
一方の“ひんここ祭り”は美濃まつりと比較して、静かなお祭りといえます。農民が干ばつに悩まされ、水を求めて神に祈った、舞を主体にした神事で、五穀豊穣を祈願する素朴な人形劇です。農作業、大蛇退治、大蛇を退治た喜びなどが舞に現れます。この神事は室町時代にまでさかのほりますから、歴史は古く、それだけに牧歌的なお祭りの雰囲気を持っています。「ひんここ」のいわれは定かではありませんが、お囃子がヒンココと聞こえるためではないかといわれています。
美濃まつりとひんここまつりの両方を見物したいところですが、両方とも日曜日の行事で、美濃まつりの山車を見ていると、ひんここには間に合いませんので、どちらかにターゲットを絞った方がよさそうです。
このほか、百円市や農産物の直売所もありますので、ぶらりと訪れるのも面白いでしょう。美濃紙の本場ですので、そうした文化も撮りたいところです。
まつりの撮影は、時代を背景にしている場面が多くありますので、それを大事にする心を持つことが大切でしょう。また、祭りでは特に邪魔な存在が電信柱や広告です。これらを避けた構図を考えるのもポイントでしょう。もっとも、時代を思わせる祭りと近代的な建物とを対比させるといった感覚も大事にしたいところです。繁華街に入ったらアップを心掛けるのもひとつの手です。美濃市には古い町並みが残っていますので、あらかじめ構成を考えておくと良いでしょう。
[交通アクセス]
岐阜→名鉄美濃町線→美濃駅
ひんここ祭り=岐阜バス(高美線)大矢田神社下車、徒歩20分
[問合せ]
美濃市経済部商工観光課 0575-33-1122
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