写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.04.24
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
北海道にも春がやって来ました。北海道の春は人も山水草木も一気に動きだします。今年は雪が多かったために、山間部には残雪がまだ映えている中ですが、まず渡島半島に桜前線が上陸して、深部へ向かいます。
ここ、北海道で唯一の城下町、松前町にも5月初旬には数々の桜が咲きそろいます。桜といえば、ソメイヨシノが代表的な選手ですが、松前では実に250種、8000本が勢ぞろいします。桜にこんなに種類があったのかと驚かされます。名称もパンダのような蘭蘭(らんらん)から、紅時雨(べにしぐれ)、紅華(こうか)といった、なんとなく色気や風情を感じさせるものもあり、地名をとった松前(まつまえ)も登場してきますので、桜に興味のある方は見逃せない松前町です。
さらに、伝説やいわれのある桜の話も残っています。そのひとつが血脈ザクラでしょう。樹齢200年を超える古木てすが、美しい娘との伝説が秘められています。地元では「その娘の思いが宿っているので、毎年、きれいな姿を見せてくれる」と、語り継がれています。
ところで武士社会は「米」で成り立ち、石高、何万石かで、藩の大きさも決められていましたが、この松前藩は北方の地で、当時はまだ米の生産が思うに任せなかったためでしょうか、「石高」がありませんでした。その代わりに蝦夷地の交易を独占することが認められていました。この交易は海産物を始め、豊かな産物に恵まれていたこともあって盛んに行われ、「松前の春は江戸にもない賑わい」といわれるほど、栄華をきわめたようです。もっとも、松前城は幕末に旧幕府軍に襲われて、落城の憂き目にあっています。
ともあれ、歴史の浅い北海道にあって松前は異色の存在で、古寺の連なる寺町もあり、北海道で唯一の城下町は蝦夷地で、城をバックにしての撮影も趣があるといえるでしょう。
なお、桜まつりは5月1日から20日までのロングランです。
撮影のポイントは残雪の山々をバックにする時は、通常、桜と雪が重ならないようにします。しかし、松前の桜の花ビラは白、ピンク、真紅、緑がかったりと様々ですから、場合によっては残雪が花をより引き立たせてくれこともありますので、花ビラの色に合わせて的確な背景を選んでください。
[交通アクセス]
自家用車 函館→松前 国道228号線 約2時間
直通バス 函館→松前 約3時間
[問合せ]
松前町役場商工観光課 01394-2-2275
松前観光協会 01394-2-2726
松前観光案内所 01394-2-3868
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