写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.05.01
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
宮崎、熊本、鹿児島県にわたる霧島屋久国立公園の一部、えびの高原は、ミヤマキリシマが群生しているところとして有名で、例年、5月下旬から見頃になります。この高原は白鳥山、甑岳、韓国岳などに囲まれた盆地状の高原で、風のない日は霧が漂うように流れます。
山頂に火口を持つ山が多く、殺伐とした風景があるかと思うと緑豊かな森林が密生していたりして、被写体となる景色の多いところです。白紫池、不動池などの火口湖を巡るコース(1~2時間程度)もあります。これらの池は緑を反射しているかと思えば、火口特有の石場の色を反映しており、方向によってさまざまな色合いを見せてくれます。また、思わぬ高山植物に出合えるのも、えびの高原の楽しみです。こうした地形から当然、温泉にも恵まれ、西郷隆盛ゆかりの湯(上湯)、京町温泉などもあります。川内川に夕刻、灯火をかかげた屋形船が浮かぶこともあり、被写体としてもおもしろいでしょう。
ところで「マキガンサー」という言葉をご存知でしょうか、牧場の神様のことを指し、一般的には馬頭観音のことです。南九州地区では畜産が盛んで、加えて農耕にも使われ、以前には各戸に牛、馬が2~3頭は必ずいたものですが、最近はこうした家畜も少なくなり、「酪農」という言葉になってから、企業化されて「マキガンサー」を祀る行事も少なくなっています。
しかし、この家畜を祀る伝統を残したいとして、馬頭観音を安置している南九州のお寺では、毎年5月8日前後には馬頭観音祭が催されています。えびの市にある〔弘泉寺〕もそのひとつで5月8日に八幡丘馬頭観音祭を催します。最近では家畜のかわりにペットの供養を願う人達が多く参集するようになっているとのことです。馬頭観音は供養だけでなく、家畜の健康、安産の祈願もくれる神様ですが、地方によっては旅の神様、道祖神の役目を負っているところもあります。
ちなみに馬頭観音は、怖い顔をしておられますが、これは「教化しがたき衆生を導くため」だそうで、昔の人達も怖い顔をされなければ、教えが頭に入らなかったのでしょうか。ただし、弘泉寺の馬頭観音は柔和な顔をしています。
霧の中での撮影は、ほとんどが木々などはシルエットにしか見えません。ここでの撮影では霧の景色を俯瞰するか、霧の流れを遠方から、つまり霧の外でカメラを構えたいものです。但し、この外からの霧は露出計があまり希望どおりには計ってくれません。霧全体に太陽があたっていたなら、ノッペリした写真になりがちです。太陽が全体にあたっていない朝夕の斜光を利用した撮影をしたいところです。露出ロックできるカメラであれば、光の境目か、中間の明るさ部分を測光してその前後、プラスマイナス1/3~1/2で撮影するとほぼ間違いない露出が得られます。あるいは思い切って、明るい部分か、暗い部分に露出を合わせて、極端に変えて撮って見る手もあります。
[交通アクセス]
JR日豊本線都城駅→えびの高原線(吉都線)約1時間20分→えびの駅
鹿児島空港→車で30分→えびの駅
えびの駅→車で15分→八幡丘(弘泉寺)
えびの駅→車で15分→えびの高原
[問合せ]
えびの市観光商工課 0984-35-1111
えびの市弘泉寺 0984-33-0546
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