写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.05.29
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
早朝の人影も見えない街道を、擦れて色褪せた雨カッパに三度笠、渡世人が足早に駆け抜けていく。江戸時代のそんな風景を思い浮かばせてくれる場所は、全国的にみてもほとんど見当たらなくなってきましたが、ここ中仙道の木曾路にはそれが残っています。
旧態依然としたたたずまいは、何となく私たちに安らぎを与えてくれます。「コンクリートジャングル、摩天楼が立ち並ぶ都会」といえば、まだまだ優しい雰囲気がある表現で、昨今の都市化は圧迫感すらおぼえます。その点、木曾路を行きますと、環境汚染、公害といった言葉を忘れさせ、ノンビリとした心地にさせてくれ、漆器づくりがよく似合う街です。
江戸時代風に表現しますと、中仙道を下っていくと贄川(にえかわ)関があり、ここでは入り鉄砲、出女が厳しく取り調べを受け、杉並木を歩いていくと、木曾随一の宿場、奈良井宿にたどりつく。「明日は難所の鳥居峠を越えなければならず、ここで宿をとろう」ということにアイなるのでしょうか。
いずれにしても木曾路のなかでも、江戸時代の面影を残してくれている代表的な場所といえるでしょう。酒屋のくすんだ杉玉、千本格子、軒の低い家々が立ち並び(この街並みは「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けています)、杉並木を歩けば、カメラマンならずともシャッターを切りたくなります。この江戸が漂う楢川村で、毎年、6月の第一金・土・日曜日(今年は4~6日)に木曽漆器祭が行われます。さらにうれしいことに、京都宇治から徳川家に献上するための「お茶道中」が見られる奈良井宿場祭が同時に催されます。
漆器祭ではお店に漆器がズラリと並べられ、見て歩くだけでなく、掘り出し物を見つけてはいかがでしょう。奈良井宿場祭はお茶壷道中(6日の日曜日)が時代絵巻の行列そのものです。
撮影は、家々に灯火がつきはじめる前後の夕景、あるいは真昼のさんさんと照る道、山深い街並みと江戸時代と同居するムードは是非、モノにしたいところです。
[交通アクセス]
JR中央線 奈良井駅下車
[問合せ]
楢川村役場 産業振興課 0264-34-2001
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