写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.10.23
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
宇和島は高松からの予讃線終着駅で、四国の西部にあって高知県に近い漁業の町です。ここには城を研究している人達にとっては貴重な存在の宇和島城(昔のままの天守閣は日本で12ヵ所残っていますが、そのひとつで江戸時代初期の典型的な天守閣を残しており、国の重要文化財)があります。この宇和島はなんといっても有名なのが「闘牛」でしょう。この闘牛に因んだためか「牛鬼」という祭には必ずといってよいほどの練りものが登場します。牛鬼があったから闘牛が盛んになったのか、その辺は定かではありませんが、八ツ鹿とともに、神輿などが練り歩く、宇和津彦神社秋祭りが10月29日に催されます。
城下町は道が分かりづらいといわれていますが、特にこの町は分かりづらく、方向感覚を狂わせる何かを持ています。藤堂高虎が大名になって初めて築城し、町割をしています。この高虎が関係した上野市(伊賀)も同様に道が分かりづらいことから、高虎は道を迷わす才能を持っていたのかも知れません。それはともかく、宇和島城は市の中央にある小高い山頂にあって、町のシンボル的存在にあります。現在の天守閣は伊達政宗の孫にあたる宗利によって完成され、三重三層の姿から鶴を思わせ、別名「鶴島城」と呼ばれる美しい城です。また、城山は築城以降、斧を入れたことがないといわれ、鬱蒼とした景観も味わいどころです。
ところで、秋祭りのメインは牛鬼と八ツ鹿(やつしか)です。牛鬼は宇和島地方での祭にはつきもので、春、夏の祭にも登場します。その名の通り恐ろしい鬼面ですが、この恐ろしさを持って「悪魔ばらい」をさせようというのですから、宇和島の人達は昔から、ユーモアがあったようです。これに対して八ツ鹿は8人の少年によって優美に舞われます。赤い布で覆い、一匹の雌鹿を七匹の雄鹿が探し求め、見つけ出して喜び合う物語です。胸の太鼓をトコトン、トコトンと打ちながら舞う姿は叙情詩的で、是非、カメラに納めたい被写体です。
祭のスタートは子供が主役(牛鬼も子供が登場)だけに、当日は授業があってキッチリとは決まっていませんが、写真を撮るなら、午前9時には宇和津彦神社でスタンバイしたいところです。「おねび」といって神社から出発して町を練り歩きます。撮影ポイントはやはり神社からの出発地点になります。また、町中(牛鬼ストリート)の「おたびしょ」で休憩するのと同時に奉納行事がありますので、ここもひとつのポイントといえるでしょう。
このほか見所としては、伊達博物館で11月14日まで将軍家より拝領した鐙・鞍をはじめ馬の姿が描かれた掛け軸などの展示が行われている「馬具展」も一見したいところです。さらに性風俗資料に興味のある方は凸凹神堂こと多賀神社がおすすめです。
なお、闘牛(年4場所と7月24日の牛鬼まつり開催)はありません。
[交通アクセス]
JR宇和島までは特急で松山から約1時間20分 高松から約4時間20分
[問合せ]
宇和島市役所観光課 0895-24-1111
宇和津彦神社 0895-22-1276
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