写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.10.30
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
京都の秋は紅葉がよくにあう場所が数多くありますが、今年は9~10月の気温が高かったことで、なかなか紅くなってくれません。ところで、京都は行事が多く、いつもどこかで祭やらイベントが行われています。紹介する11月8日も祇園で、かにかくに祭のほか伏見稲荷大社や山科区の折上神社などで火焚祭が行われています。
「かにかくに」とは万葉集にも出てきますが、「とにかく」という意味です。かにかくに祭はみこしや山車が出るわけでもなく、祇園を愛した吉井勇を忍ぶだけの祭です。祗園に流れる白川の赤い巽橋の横にある「かにかくに碑」に関係者が集まり、献花して抹茶を飲み、そばを食べるだけです。それなのになぜ注目されるのかといいますと、「かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる」と詠み、歌人でもあった吉井勇を忍び、氏にゆかりのある人や祇園の舞妓さん、芸妓さんが集まりますので、その華やかさと艶めかしさがあるためです。
ちなみに吉井勇は、森鴎外、北原白秋らとともに活躍した人で、祇園に関係の深い「祇園詩集」「祇園双紙」などの歌集を出しているほか、小説や古文の現代語訳をしたりして大正時代から昭和にかけて活躍した人です。
このかにかくにの祭には舞妓さん、芸妓さんが確実に現れることと、白川には鯉が泳ぎ、近辺は伝統的建造物群保存地区に指定されていることもあって、千本格子のお茶屋さんの風流な家並みと石畳の通りとなれば、風情はこの上ありません。ここを着飾った舞妓さん、芸妓さんが通るのですから、絵になること請けあいです。
またカメラマンにとっても、恰好の被写体になります。献花は11時前後(祭としては午前11時から午後2時)からですが、午前9時頃にはカメラマンの場所選びが始まります。撮影ポイントとしては、巽橋付近の混雑を避けて、花見小路、祇園新橋がいいでしょう。夜の祇園は格別ですが、昼の風情もまたいいものです。
かにかくに祭の後、伏見稲荷大社の火焚祭に行かれてはどうでしょう。夕闇が迫る直前の赤い鳥居を撮影してもいいでしょう。また、夜間に薪だけの明るさで幻想的な神楽が舞われます。但し、ストロボを発光することは厳禁になっていますので、注意してください。高感度フィルムをお忘れなく。
(かにかくに祭りの写真提供:板倉有士郎氏)
[交通アクセス]
かにかくに祭 JR京都駅→市バス(京阪三条、祇園、京阪四条などで下車)
火焚祭 京阪三条(京阪四条)→伏見稲荷駅下車→徒歩7分→伏見稲荷大社
JR京都駅→市バス15分→稲荷大社前下車
[問合せ]
京都市役所観光課 075-222-3111
伏見稲荷大社 075-641-7331
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