写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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1999.11.20
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
「遊水地」をご存知ですか。大雨が降った時に洪水にならないように治水の役目を果たします。その日本最大の遊水地が渡良瀬遊水地です。栃木、群馬、埼玉、茨城の4 県にまたがり、利根川下流の洪水を未然に防いでいます。また、渇水時の水道用水供給の役目も担っています。この遊水池に隣接する栃木県野木町、茨城県古河市で、関東の奇祭といわれる『提灯もみまつり』が12月3~4日にかけて催されます。
この祭は野木町にある野木神社の祭礼ですが、ひとつの神社がめずらしく2県にまたがっての祭礼です。その理由は、江戸時代には共に同じ古河藩であったためです。廃藩置県で泣く泣く分離されてしまったと土地の人は語っています。12月3日が野木町で、そして4日に古河市で開催されます。野木神社そのものはその名通り、栃木県側の野木町にありますが、その盛大さにおいては茨城県側の古河市が圧倒しています。野木町は子供が主体になり、古河市ではどちらかといいますと、大人のイメージの濃い提灯もみまつりとなっています。野木町ではただ単に『提灯もみ』、古河市では『提灯竿もみまつり』と若干、異なっていますが、現在でも鎮守を同じくする野木神社が神主になっています。
祭は「奇祭」といわれるように、神輿の代わりに長い竿の先に灯をともして、ぶつかり合う勇壮さが見ものです。各町から繰り出してのぶつかり合いで、相手の灯火を消し合ったりしますので、まるで喧嘩を見ているようです。
この祭は本来、神様を送迎するための行事だったようで、いつしか周囲の7郷を巡った御神霊が野木神社に帰ってきた時に、この「提灯もみ」が定着したといわれています。
夜間に灯をかかげての祭ですから、カメラマンにとっては絵になります。但し、薄暗い所で、動きが活発なために撮影は意外と難しいのです。フィルムは、ISO 感度100 ではブレブレの写真になってしまいます。感度400 以上のフィルムで光量の大きなストロボを使いたいところです。リバーサルフィルムでの撮影では、オーバー露出にならないように注意してください。ストロボを使用してのオーバーな写真は見られたものではありません。
ところで、昼間から夕方にかけて遊水地での撮影もお勧めです。雑草が延々と生い茂った景色はなかなか見られない光景です。とくに夕日が沈む景色には感動されるでしょう。野木町、古河市は遊水地の東側になりますので、夕陽が逆光になります。12月初旬は空気が澄んでいますので、夕陽も一段ときれいです。
また、野木神社には江戸時代の高名な画家谷文晁の作といわれている黒馬繋馬図絵馬があるほか、日本の数学、和算の問題と解答を額にして奉納された算額があります。算数の弱い方はこの野木神社にお参りすると強くなるかもしれませんネ。
古河市での祭は午後5時頃から子ども提灯、山車などの提灯パレードがありますが、クライマックスは7時頃の大人のもみ合いになります。3日の野木町では午後6時から奉納お神楽があります。
[交通アクセス]
東北本線 古河駅下車(野木神社へはタクシー利用が便利。4日の祭は古河市内)。祭の前日から交通規制が行われていますので、車で行く場合は駐車場の確保が必要です。
[問合先]
古河市観光協会 0280-23-0030
野木町商工会 0280-55-2233
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