写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
1999.12.11
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
『こんぴら、ふねふね』と歌われ、庶民に慕われている香川県琴平町の金比羅宮。「ふねふね」の通り、海の神様です。その歴史は古く、3000年も前にさかのぼるとも言われています。現在の金比羅宮は海から離れた、山の中腹にありますが、その昔、周囲は海にあって、麓は波に洗われていたそうで、瀬戸内海を一望できる位置にあったと考えられています。歌唱のイメージはかなり庶民的ですが、天皇家とのかかわりも深く、「御所」としての位置付けがなされていたほどです。こうしたことを証明するように、宮中において盛んに催された優雅な「蹴鞠(けまり)」行事が残っており、5月5日の奉納蹴鞠と7月7日七夕鞠が有名ですが、12月22日にもこの「蹴鞠」行事が執り行われています。
この蹴鞠、約1400年前の大和朝廷時代に中国から渡ってきた球技のひとつですが、勝負を競うのではなく、お互いに助け合う精神で参加する競技なのです。球を蹴って相手に渡す時、取った相手にいかに蹴り易く渡すかがポイントになります。競合するのではなく、受けた相手が地に落とさないように渡す、『和』を大切にする日本らしい互助精神にあふれた球技といえるでしょう。
蹴鞠は当初、宮中が主体でしたが、鎌倉時代に武士階級でも盛んに行われ、時代を経るにしたがって、一般庶民にも普及して浮世草子などの題材になっていたそうです。それがどういうわけか、明治維新になってから急にすたれてしまい、蹴鞠の存在が遠いものになってしまいました。このために蹴鞠は一般公開されることが少なくなったようですが、金比羅宮ではより多くの人に親しんでもらえるように、一般公開されています。
12月22日も午前10時から見ることができ、撮影も自由です。ただし、人の邪魔になる三脚は使用しないようにしてください。
金比羅宮のある琴平町(ことひらちょう)は典型的な門前町で、家並みも古いイメージをとどめていますので、その風情と情緒をカメラに納めたい所です。天保年間(1835年)に建てられた旧金毘羅大芝居(金丸座)は、日本最古の歌舞伎劇場で、国の重要文化財に指定され、天保の昔そのままの姿を復元されています。また、高燈篭は高さ日本一の燈篭で、その昔は瀬戸内海を航行する船や街道を旅する人々の目印となっていました。
[問合せ]
琴平町観光課 0877-75-6700
金比羅宮 0877-75-2121
[交通アクセス]
JR土讃線琴平駅から会場まで徒歩、約20分
なお、社務所の方によりますと「なだらかな坂もありますが、できるだけ階段を上っておこしください」とのことでした。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。