写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2000.02.12
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
各地に春を告げる行事がたくさんありますが、岡山地方では毎年2月の第3土曜日(今年2月19日)の夜に催される西大寺会陽、通称、裸祭り(はだかまつり)が終わると「もう、春はそこまで来ている」と言われ、農作業に追われ出すそうです。この行事は日本三大奇祭のひとつとして全国的に名を馳せ、テレビでも必ず放映されています。ちなみに自分の地方で行われている祭りを日本三大○○祭と称してしまうようで、日本三大奇祭にもいろいろと説があるようです。しかし、ここの西大寺裸祭は指を三本折る中に必ず入っています。福窓から住職によって投げられた2本のシンギ(宝木)をめぐり数千人の裸の群が激しい争奪戦を繰り広げる光景は、やはり豪快で壮観そのもので、三大奇祭のトップに挙げられているのもうなづけます。 この会陽、クローズアップされるのは修正会大会陽、つまりシンギの争奪戦ですが、会陽そのものはこの日より20日前から始まっており、17日前の深夜には近くの芥子山中腹、無量寿院に原木を取りに行く「宝木取り」行事や「宝木削り」などが行われています。さらに会陽終了後の2週間は「あとまつり」と呼ばれ、屋台や露店出たり、植木市、瀬戸物市などがあって多くの人で賑わい、3月5日まで続きます。
ところで中国地方には33番札所がありますが、この金陵山西大寺はそ第一番札所で、大変に由緒あるお寺です。1200年以上も前に建立された高野山真言宗別格本山で、本尊は千手観音です。院内には、銅鐘(国指定重文)、三重塔(県指定重文)、狩野永朝絵馬(市指定重文)など文化財も多くあります。
本番の修正会大会陽の当日は、午後7時から少年裸祭り、8時30分から会陽太鼓(10時と11時の計3回)、9時に花火などがあって、深夜12時にシンギが投下されます。
撮影ポイントとしては、少年の裸祭り、女性が叩く会陽太鼓も結構、絵になります。メインのシンギ争奪戦は午後10時を回りますと、触れ太鼓に合わせて、西大寺町内の各所から境内を目指してワッショイ、ワッショイの掛け声とともに裸の群れが押し寄せてくる光景や宝木の争奪戦前の冷水に入り身体を清める斉戒沐浴の祈願をする姿もいいでしょう。宝木投下直前になりますと、数千の裸群は境内から本堂へ集まりますが、一升マスのスペースに1人が立つといった込みようになります。12時に本堂御福窓から住職の手によって裸群の上に投下されて宝木争奪戦の始まりです。「宝木が抜けた」の声で裸の群は散っていくことになります。
撮影場所は裸の群れと同じ位置では非常に危険です。どちらに流れていくか判りませんので、まずこれだけは避けましょう。本堂の天井など高所から撮りたいのですが、ここは報道陣や監視の人達で、一般の人は入れません。安全な場所としては、やはり観覧席です。10時過ぎに観覧席が有料になり、指定席が 5,000円、立見席が 1,000円と 500円となりますが、指定席が必ずしも撮影に適しているとは言えません。8時前に、本堂との位置関係を確かめて、選ぶことをお勧めします。
この撮影では、撮り方にもよりますが、ワイドで狙いたいものです。また、望遠レンズと高感度フィルムを持参しないと後悔しそうです。
[交通アクセス]
JR岡山駅→約15分→JR赤穂線西大寺駅→徒歩10分
[問合せ]
西大寺会陽奉賛会 086-942-0101
西大寺観光協会 086-943-4211
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