写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2000.04.01
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
桜の便りが各地から聞こえて来るようになりました。カメラマンにとっては待ち遠しかった季節の到来です。今週は西日本各地で、満開の桜撮影に余念がないことでしょう。
撮影は桜だけではありません。春の訪れとともに、全国各地で行われる“市”も開催されるようになってきます。この市も、最近は地元の観光と物産を売り出すために、急に増えてきたのに加え、日曜市や自由市の名称での市民参加の市も数多く出現していますので、被写体としては、こと欠かない題材になってきました。
そうした中で、伝統のある市の代表的な存在に、宮城県古川市の古川八百屋市(やおやまち)が挙げられます。日程は丁度、春を満喫するように、4月7日から6月27日までの3と7の付く日に行われます。
この古川八百屋市が始まったのは1591年、戦国末期までさかのぼるというのですから、歴史的にみても価値のある市といえそうです。始めた理由は戦乱に疲れた住民に、経済的にも、意識的にも活気を与えるために、古川城の城代が起こしたといわれています。市内の三日町、七日町、十日町でも市が立ち、これらが古川八百屋市となったようです。昔は町の路地まで店が並んだそうですが、現在は古川市内にある熊野神社境内に限られています。
ところで、伝統のある市はその地方のいわば風物詩ともなっており、この市を撮影する場合は、そうした背景を捉えることも重要です。この古川八百屋市では、東北地方特有の厳しい寒さから開放された喜びが、参集する人達の顔にもあふれているのと、遠方からも人が集まり活気のある市となっていますので、人の顔から春の息吹が感じられるように撮れた最高でしょう。ちなみに、ここの市は地元でとれた青果物、種苗、山野草をはじめ海産物、茶、籠などの竹細工など数えきれないほど品種が多いことも特徴的です。
一方、撮影対象としては桜の名所(荒雄公園など)が市内にたくさんありますので、4月中旬に訪れると、多くの被写体に恵まれることでしょう。熊野神社の近くの公園にも桜の木がありますが、残念ながら市と桜を同時に撮るシチュエーションはできません。このほかの見所としては、室町様式を備えた瑞川寺山門、荒雄公園の横にある県北随一の本格茶庭・祥雲閣(左:写真)などがあります。撮影対象ではありませんが、小野小町の墓がありますので、ファンの方はどうぞ。
*古川八百屋市は開催時間が午前6~11時頃までで、3と7の付く日しかやっておりません。
[交通アクセス]
東北新幹線 古川駅下車
[問合せ]
古川市役所商工観光課 0229-23-2111
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