写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2000.07.08
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
全国に奇祭と呼ばれるお祭は数々ありますが、ここ神奈川県茅ヶ崎市の南湖(なんこ)海岸(茅ヶ崎西側の海岸)で、毎年7月20日に催される浜降祭(はまおりさい)もそのひとつ数えられています。この祭、“暁の祭典”とも“みそぎ”とも呼ばれています。暁の祭典はその名の通り、早暁に挙行されるからです。また、みそぎは神輿(みこし)を海に入れて、清めることが由来になっているようです。
祭の神輿と言えば、日中がほとんどで早暁に担がれることはほとんどみられませんが、ここでは朝日に輝く神輿、柔らかい陽光が担ぎ手の頬に当たる顔などは、ほかの祭ではみらない被写体となります。しかも、30数基の神輿が勢ぞろいする光景は見事なものです。
この浜降祭は海浜での、みそぎがクローズアップされていますが、実はスタートは茅ヶ崎市の北隣にある寒川町の寒川神社です。午前3時50分に約15分ほど“発興祭”が挙行されて、神輿の宮出しがあって、南湖海岸に向かいます。昔は寒川神社から南湖海岸まで、担いだのですが、現在は出発時と終点時だけが担がれ、途中は車で運ばれています。
それはともかく、この寒川神社の神輿が南湖海岸に到着するのが午前7時前後になりますが、それより以前に、近隣の神社から30数社から神輿が次々と繰り出され、早い神輿は5時過ぎには海岸での、みそぎが始まります。
また、この頃の日の出は4時40~45分ですから、太陽の昇ってくるタイミングを計って撮影したいものです。さらに、朝日に映える衣装や撮影の場所選び、日の出などを考えると、早く行けは行くほど撮影には有利なようです。
早朝の陽光が揺れる中で、神輿が「どっこい、どっこい」の掛け声とともに、海に入りみそぎをします。この勇壮さ、華麗さ、デリケートな朝日を浴びている神輿、人々の顔などなど、ほかではあまり見られない魅力的な被写体になります。みそぎを済ませた神輿が勢揃いして、神事が始まると、騒々しさが潮を引くように、厳かな雰囲気に包まれます。神事を終えたら、各神社に戻りますが、この引き上げる安堵した表情も見逃しがたい被写体です。
ところで、茅ヶ崎海岸には木製の遊歩道、しおさいの森があって、そこからは東に江ノ島、西に富士山、前には烏帽子(えぼし)岩があり、撮影のロケーションとしては最高です。但し、夏季に富士山をとらえるのはかなり難しく、期待されないように……。
このほか、珍しいものとして、国指定の重要文化財、旧相模川橋脚(左上写真)がこの茅ヶ崎にあります。大正12年9月1日、関東大震災の時に突如として現れた伝説の橋です。時代考証によりますと、源頼朝時代に架けられた橋だそうです。
[交通アクセス]
JR東海道線茅ヶ崎駅から徒歩20分
[問合せ]
浜降祭実行委員会 0467-75-0004
撮影は自由にできますが、荒っぽい神輿に巻き込まれないように注意し、また、海での撮影ですから、撮影後、カメラなどの機材手入れをお忘れなく。
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