写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2000.09.02
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
祭には「オヤッ」と思うような名称が結構ありますが、埼玉県川越市で催される「ほろ祭り 別名=ほろかけ祭り」もそのひとつでしょう。
この川越は小江戸とも呼ばれ、歴史のある町で、原始、古代の頃から人が共同生活を行っていたといわれ、近辺には多くの古墳が現存しています。平安時代には荘園ができ、今も名を残す、河越、山田、仙波、古尾谷(ふるおや)などの荘園を武士が支配する時代もあったとされています。
鎌倉幕府の御家人であった河越氏が地域を治めていたこともあって、川越の名称が今に引き継がれています。また、徳川家康が江戸に城を構えると、川越は守りや物資供給の要衝として藩がおかれています。
このような歴史と第2次大戦の戦禍を逃れたこともあって、1624~1644年に最初に建てられ「時の鐘」として親しまれ続けている鐘撞堂(かねつきどう 現在の鐘楼は明治26年に再建されたもので、環境庁主催の「残したい日本の音風景百選」に選定されています)や耐火建築の蔵造りの町並み、菓子屋横丁などが現存しており、生きた歴史を目の当たり見ることができる町です。カメラマンにとっては、これらの歴史を背景にして、いろいろな被写体を作れるのではないでしょうか。
こうした古い建物と同時にやはり、古い行事も残っています。その代表格的存在が「ほろ祭り」です。
川越市の「行事と芸能」のシオリには次のように記されています。
毎年9月15日に行なわれる。ホロカケマツリ、ホロが出るともいう。古尾谷八幡神社は平安時代創立の古社で、ホロを背負った童児が神輿のお伴をする行事である。ホロとは背負かごにホロをつけて36本の竹ひごに紙花がつく。これを背負うホロショイコは本郷の上組、下組、から各々2 人ずつ出ることになっている。宿には親戚、組合の人が祝いに集まり、ホロショイコにたいし三献の盃事が行なわれる。これを出陣の式という。時刻になって八幡さまに集まり、御神事に加わりお旅所までお供をする。この内ホロショイは六方を踏むというお練りの足どりで、ホロをゆさゆさゆすり、力を入れて鈴の音をたてながら進む。少年にとっては相当の労苦である。身内の人は無事にお供ができるよう掛声をかけて激励する。この行事は氏神にたいする氏子入りの儀式であるとともに、元服式の印象が深い古い神事である。
以上
町内の練り歩きは午後3時頃より古尾谷八幡神社の鳥居前を出発しますが、この練り歩く前、2時頃から本殿前で、神事や獅子舞、囃子連の屋台も出ますので、撮影する場合は、1時過ぎに訪れるとよいでしょう。ちなみに「撮影は、神事や見物人の邪魔にならないようにするならば、すべてOKです」とのことです。
ところで「栗よりうまい十三里」の言葉をご存知でしょうか。川越の名産である甘いサツマイモの宣伝文句で、九里(栗)に四里(より)を加えて十三里になるということです。十三里は川越から江戸までの距離です。川越いもを原料にした菓子類がたくさんありますので、撮影しながらひとつ賞味してはいかがでしょう。このほか、名産品として狭山茶、醤油味の焼き川越のだんご、せんべい、絹の風合いを持っている縞木綿の川越唐棧などがあります。
写真・資料提供:川越市文化財保護課
[交通アクセス]
古尾谷八幡神社は、西武新宿線「本川越駅」からバス大宮駅西口行き「古谷小」下車徒歩。川越までは、新宿、池袋などからJR埼京線が乗り入れているほか、東武東上線(営団地下鉄有楽町線が乗り入れ)などもあります。
[問合せ]
川越市文化財保護課 0492-24-8811
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