【深夜にローソク2本の灯で】
石川県羽咋市・鵜祭

最近は未確認飛行物体ＵＦＯがあまり話題にのぼりませんが、ここ羽咋（はくい）市には「麦わら帽子型の怪火が飛んだ」ことが目撃された古い伝説が残っています。少し前まで、夕刻に家に戻りたがらない子供達に母親が「空からナベが降りてきて、さらわれるヨ」と、言っていたほどです。

このＵＦＯの街で、毎年12月16日に「鵜祭」があります。結びの神様で名高い気多大社で、ローソク2本の明かりだけで午前3時から行われます。大昔の祭は、深夜に行われていたともいわれいることから、この鵜祭は祭の原型が残っていると、推測されています。それだけ、昔の祭の姿を今に伝えている行事といえます。
祭は七尾市で捕らえた鵜を、2泊3日かかって、3人の鵜補部（うとりべ）が気多大社に運びます。この道中に昔は「鵜様が通る」と、多くの人が手を合わせたそうです。こうして、12月16日午前3時、暗闇に神楽の鳴り響き、ロウソクのみの光の中で、鵜が放たれます。その鵜の動きによってその年の吉兆を占うというものです。 　暗闇で行われる祭だけに、撮影対象としては不向きともいえますが、報道陣が毎年、苦労して撮影していますので、ローソクの火を頼りに高感度フィルムでチャレンジしてはいかがでしょう。祭には自由に参加できますが、撮ってはいけない時がありますので、神司さんに確認をとってそれに従ってください。特に鵜は明かりを嫌うために、ストロボなどの光は厳禁となります。なお、神事を終えて、鵜が海に放たれる瞬間はストロボを発光させても構わないそうです。
また、気多大社の神門（桃山時代の切妻造り）、拝殿（江戸初期の入母屋造り）、若宮神社本殿（室町末期の一間社流れ造り）などは、国指定重要文化財となっており、こうした古い建築物も、写真として是非、残しておきたいところです。

コハクチョウが舞う里

ところで、羽咋市には「白鳥の里（邑知潟）」があって、コハクチョウが12月7日現在、約 200羽が飛来しています。潟周辺の田んぼに20～30羽ずつがひとかたまりになって、エサをついばんだりしています。餌ヅケもされていますので、意外と近くで撮影できます。出掛ける場合は、長靴は必携です。
さらに大晦日から新年（平成12年12月31日午後11時50分～平成13年1月1日午前0時10分）にかけて、気多大社では新年奉納花火（約1000発) があります。21世紀を豪壮な花火で迎えるのはいかがでしょう。ちなみにここでの撮影ポイントは、花火をバックに、いちの鳥居を前景に入れたいですネ。 ［交通アクセス］
JR金沢駅→七尾線羽咋駅
［問合せ］
気多大社　　　　　　　　　　 0767-22-0602
羽咋市商工観光課（白鳥の里） 0767-22-1118