写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
2001.06.09
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
全国には裸になったり、泥だらけになったりと、様々な祭がありますが、ここ鹿児島県加治木町に「くも合戦」なる珍しい行事が、毎年6月第3日曜日(今年は6月17日)に催されます。蜘蛛と蜘蛛を戦わせる行事ですが、地元の人にとっては、梅雨時期のウップン晴らしもあって、かなりエキサイトします。
このくも合戦、歴史は古く、秀吉の朝鮮出兵(1597年)のおりに、加治木城主の島津義弘が兵の士気を高めるために始めたのが最初だといわれていますが、蜘蛛を使った遊びは、応仁の乱の頃にはすでに、京都で女官達によって行われていたとも推測されており、その名残りが高知県中村市に「女郎ぐも相撲大会(毎年8月第1日曜日)」の名で 500年ぐらい前から伝えられています。
合戦は棒の両サイドにコガネグモの雌を2匹止まらせ、「よしっ、よしっ、よしっ」「それッ、それッ」と煽り、戦わせますが、ほとんどが戦闘意欲、充分ですぐに戦いになります。その戦いを裃をつけた行司が判定をくだします。相手の背尻に噛みつく、糸を相手に巻く、相手を振り落とすと、勝ち名乗りが挙げられます。
加治木町では、子供の部と大人の部に別れており、3連勝して勝ち残った蜘蛛が、午後の王将戦に進みます。小さな蜘蛛の戦いですが、かなり興奮します。
撮影は自由ですが、ストロボは禁止です。勝負どころで発光されますと、行司が一瞬、目が見えなくなり、蜘蛛の持ち主や観客との間でトラブルが起きますので、是非、注意してください。蜘蛛の大きさは1cmにもなりませんので、撮影にはマクロレンズが必要ですが、三脚は立てられませんから、手持ちになります。感度の高いフィルムが有利です。毎年撮影しているカメラマンによりますと、勝負が決まる瞬間がポイントだそうで、それを見極めるのが、迫力ある写真になるか否かの境目とのことです。難しそうですネ。
ところで加治木町から、波おだやかな錦江湾に浮かぶ雄大な桜島が目の前に眺められ、噴煙たなびく姿も撮影できる好位置にあります。
また、日本の滝百選に選定された「龍門滝」も近くにありますので、新緑と滝を同時に納めたいところです(夜間はライトアップされます)。また、四面絶壁で直立した奇峰として蔵王嶽があって、これも被写体としては珍しい景色です。さらに、金山橋と呼ばれるアーチ型の石橋と、その上流にある「板井出の滝」との組み合わせが美しい景色を作っています。
写真提供:加治木町役場
[交通アクセス]
鹿児島空港からタクシー約15分。JR日豊本線で鹿児島駅から加治木駅まで約30分
[問合せ]
加治木町役場経済課 0995-62-2111
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。