写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2001.06.23
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
和歌山県の那智勝浦といえば、高さ日本一を誇る那智の滝が名を馳せています。この滝が流れ出る一体を那智山といって、飛瀧神社や熊野那智大社、那智山青岸渡寺を中心に聖なる地とされています。なかでも熊野那智大社は、全国に3000以上もある熊野神社の本社でもあり、仁徳天皇の頃に大国主命の御霊代を祀ったということですから、歴史は1600年以上も逆上ります。
その熊野那智大社で、日本三大火祭りの一つに数えられる「那智の火祭り(正式には扇祭)」が7月14日に催されます。
この祭は、熊野那智大社に鎮座する神様を奮い起こし、万物の発展を祈る神事とされています。神様を奮い起こすのですから、祭そのそものも、勇壮にならざるを得ないのでしょう。12体の熊野の神々を、滝の姿を表した高さ6mの12体の扇神輿に移し、本社より滝へ渡御します。滝の参道では、重さ50kg~60kgの12本の大松明で扇神輿を迎えますが、その炎が清めの神事になることから「那智の火祭り」と、呼ばれるようになったとのこと。
祭は午前10時から始まりますが、一般の拝観者(カメラマンも含め)は、11時からの那智大社境内で奉納される、大和舞、国の重要無形民俗文化財に指定されている那智田楽などが見られます。この後、御田植式、扇神輿渡御祭などがあります。
クライマックスは、午後1時過ぎに、扇神輿が那智大社を滝に向かって出発、一方、飛滝神社からは桶のような形をした大松明12本が出発します。途中の石段で、両者がぶつかりあいます。昼なお暗い暗い参道で、大樹や老木、那智の滝をバックにして、火の粉が舞います。
メインの撮影場所としては、この揉み合いする参道になります。この参道にはロープが張られ、その外側からの撮影になりますから、揉み合う状態を都合のよいアングルで狙うことはなかなか難しいといえます。前もって、背景を決めて「ここに入ったらシャッター押す」準備をしておくといいでしょう。
なお、神社からのお願いとして「くれぐれもロープ内で、撮影しないように……」とのことで、この「ルールさえ守ってもらえれば、ご自由に撮影して結構です」としていましたので、マナーを守って楽しく撮影しましょう。
那智勝浦町は、那智山の門前町の那智町と温泉と漁業のまち勝浦町、そして周囲の町や村と合併してできた町で、紀伊半島の南東に位置し、風光明媚で雄大な景色が撮れます。また、那智の滝、滝の右側には那智山原始林(国天然記念物)が広がり、周辺には手軽に散策できる滝も多くあるほか、熊野那智大社から始まる熊野古道も奥まで行かなければ、ハイキングがてらに歴史を偲ぶこともできます。
ちなみに、夏の撮影はほとんど無理ですが、昔から「熊野古道から富士山が見えた」の言い伝えがあり、数年前に富士山の見える南限の地として撮影に成功したカメラマンもいます。
写真協力:那智勝浦観光協会
[交通アクセス]
大阪・名古屋から紀伊勝浦駅まで特急で約3時間。
JR紀伊勝浦駅から滝前までタクシーで約20分、バス約30分。
[問合せ]
那智山 0735-55-0321
那智勝浦観光協会 0735-52-5311
那智勝浦町役場 0735-52-0555
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。