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2002.02.02
古代の原始社会の「市」は、神聖な場所を選び、物々交換や会合を行ったとされており、古事記では「伊知」と、記されていますから、市は古き時代から栄えていたことがうかがわれます。定められた日に、定められた場所で物品の売買を行うという、古くに成立した日本の流通形態のひとつです。
山梨県中巨摩郡若草町の「十日市」は毎年2月10~11日(午前8時~午後5時)に開催され、今年も 500~600店が参集して開催されますので、そのスケールは全国でも屈指に数えられています。
若草の市の起こりはいつなのか、明確ではありませんが、1590年に「十日市はケンカが多いので禁止令」が出されていますから、禁止させられるほど賑わっていたことになり、少なくとも 400年以上の歴史があるのは事実です。
こうした長年の歴史から甲斐路では「今年も十日市がやってきたねえ」が季語になって、春を呼ぶ行事として地元に根づいています。
また、多くの店が全国から集まってきますから、この市では昔から「十日市で売っていないものは、猫のたまごと馬の角ぐらいだ」と、いわれるほど、品数の豊富さを誇っています。どんな珍しい品々に出会えるかも楽しみのひとつとです。市には15万人以上が参加しますので、様々な売買のやりとりも見ものです。
この市の特徴としては、県道1.1kmの両脇を使用していることが挙げられます。家の庭先を利用したりしていますので、思わぬ被写体に出会えます。甲州だるまズラリと並んだり、縁起物がぶら下がった光景はなかなかのものです。
春の風景として、ボケの花、梅、カリン、草花、色とりどりの花を見ることができます。市神様にお参りする人も後を絶たず、縁起物がゆれる下を人が行きかう光景には、カメラをつい向けたくなります。
若草の名物のひとつに、木工品があります。特に臼(うす)や杵(きね)が有名で、この販売もよそではあまり見られない被写体と言えます。
ところで、若草町は甲府盆地の西方に位置し、南に富士山が望まれ、2月中旬頃はまだ空気も澄んでいて、クッキリとした霊峰が写せます。北には八ヶ岳などの連山、西に南アルプス連峰、東に大菩薩の山並みと、四方を山に囲まれた地域だけに、緑も多く、自然豊かな景色に恵まれています。
市の開催される十日市場地区には、「十日市場の大ケヤキ(県指定天然記念物)」と、呼ばれる推定樹齢 500年の巨木が神明石動神社にありますので、寄ってみたい所です。
写真・資料提供:若草町役場
[交通アクセス]
中央自動車道 甲府南か甲府昭和から約15~20分
若草町は鉄道から遠く、自動車が有利。駐車場が完備されています。
[問合せ]
若草町役場 055-282-3100
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