写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2002.08.24
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
九州は郷土芸能が盛んなところですが、その中でも佐賀県鹿島市周辺は、保護団体数と種類が多いようです。毎年9月第2日曜日(今年は9月8日)に鉦浮立、一声浮立、獅子舞、獅子浮立などの「かしま伝承芸能フェスティバル」が祐徳稲荷神社で催されます。また、七浦地区の戸口神社、天子神社、鎮守神社で面浮立(めんぶりゅう)を中心とした「秋祭り」も実施されます。
この浮立は「ふりゅう」または「ぶりゅう」と読み、佐賀県、長崎県に伝承されています。古く平安時代から鎌倉時代にはやった歌や舞のことと言われ、「風流」と同じ意味があるようです。この歌舞が神事と結びつき、春に豊作を祈願し、秋には感謝を込めて喜びを表すようになったといわれていますが、地域によって、浮立の起源や歴史が異なっています。
全国的に有名な浮立が鹿島市七浦地区の面浮立で、県の重要無形民俗文化財に指定されています。午前8時30分から各神社順番に行われますので、3神社の面浮立がすべて撮影できます。
般若に似た鬼面を被り、40~50人が笛・太鼓・鉦(かね)の音に合わせて踊り手が激しく、勇壮に舞います。この地区の面浮立の起源は、豊後の大友勢が肥前の龍造寺を攻め、劣勢にあった龍造寺方は、鬼面を被り、鉦、太鼓を鳴らして夜襲し、勝利したことに基づいているそうです。
こうした故事から、舞もダイナミックな動きになるのでしょう。現在は五穀豊穣への感謝をこめて踊られています。
この鬼面は手彫りで作られ、県が誇る伝統のひとつにもなっています。
郷土芸能は各地区で、年に数回、祭などで演じられていますが、「かしま伝承芸能フェスティバル」は、近隣の浮立などを一堂に会して競演します。あちらこちらと巡回することなく、多くの郷土芸能を撮影できるチャンスとなります。
このフェスティバルは、日本三大稲荷の一つの朱色の祐徳稲荷神社(左写真 雨天時:市民会館)をバックに行われます。
時間は午後1~5時で、七浦地区の面浮立を撮影してからで、間に合います。
出演団体は、県内の高津原鉦浮立、新町子供獅子浮立、浅浦面浮立などに加え、獅子舞、八乙女の舞もあり、さらに長崎県から平戸市の田助ハイヤ節、江迎町の迎乱舞龍など15団体が競演します。
また、かしま伝承芸能フェスティバル写真コンテストが行われますので、腕をふるってはいかがでしょう(当日会場にて受付)。
ところで、土蔵づくりや藁葺き町屋や洋館など伝統的な建物が残る静かな町です。八宿周辺は土蔵づくりの酒蔵があって、通称酒蔵通りと親しまれています。とはいいましても、次第にこれらの町並みも少なくなっています。歴史を残す上でも写真に撮っておきたいところです。また、鍋島藩時代の武家屋敷も残っています。
この鹿島市で忘れてならないのが有明海でしょう。潮の干満差が日本一といわれ、大潮時には7mにも達します。9月8日は丁度、大潮にあたり広大な干潟が見られます。愛嬌のある顔立ちの「むつごろう」にも出会えることでしょう。もっとも干潟に入るには汚れてもよい服装で、着替えも必要です。
泥だらけになるガタリンピック(泥の中で競争したりなど)でも有名ですが、修学旅行にこの泥んこ遊びが人気があるそうです。
晴天時には対岸に位置する福岡、熊本の建物や、長崎県の雲仙普賢岳を肉眼で見ることができます。夕陽も綺麗です。
写真・資料提供:鹿島市役所 干潟展望館インフォメーション
[交通アクセス]
JR博多駅~JR鹿島駅 特急60分
[問合せ]
鹿島市観光協会 09546-2-3942
鹿島市商工観光課 09546-3-3412
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