写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2003.01.11
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
1996年に重油事故がありましたが、今は美しい浜を取り戻している日本海に面した漁業の町、福井県美浜町。名勝、三方五湖を背後に控え、遠い昔の万葉集にも詠まれている景色は、山と海と湖がおりなし、絶好の被写体が多い地方です。
その恵まれた景色のなかで、1月第3日曜日(今年19日)に勇壮で珍しい祭、「日向水中綱引き」が催されます。日向湖と日本海を結ぶ運河に大きな綱を渡して、水中で町の男達が綱引きをします。
綱引きに使用される綱は、長さ40m、太さ30cmにもおよびます。この綱は、地元青年会によって、新しい稲藁が集められ、祭当日の早朝、綱練りが行われます。伊勢音頭を唱いながら、4時間余りの時間をかけて練り上げられます。
午前中、運河に渡され、色とりどりに彩られた大漁旗をたいこ橋(日向橋)の周りに張りめぐらせて、午後2時半頃、海上の安全と豊漁を祈願して宇波西神社にお詣りし、稲荷神社に赤い旗を納めてら水中綱引きが始まります。
頭に鉢巻き、腹にさらしを巻いてのいでたちの若者や厄年の人達が、たいこ橋を目指して、走り上り、欄干のもっとも高いところから、次々と、寒風吹き荒ぶ海中に飛び込みます。撮影のチャンスは、やはり、この飛び込む瞬間になります。当日の天候にもよりますが、どんよりした曇り空が多く、こうした中で激しい動きを撮らなくてなりませんから、フィルム感度はISO 200 以上が有利です。
飛び込んだ人達は、東と西に分かれ、大綱を爪と歯で引きちぎります。切られた綱は、そのまま、海の神に奉納する形で、流されます。
この奇祭の起源は諸説あって、そのひとつに、昔、大蛇が運河をふさいで漁に出られなくなり、良案を練って「大蛇より大きい綱を見せて、しかも刃物を使わずに断ち切れば、漁師の力に驚いて退散するだろう」とした説。また、江戸時代に日向湖を舟溜まりにするために、運河を通した祝いに始められたなどもありますが、いずれにしても現在では、豊漁、無病息災、厄払いを祈願する祭となって、冬のひとつの風物詩になっています。
若狭の冬は、山と湖が雪におおわれ、その景色もまた格別です。全景を楽しむのであれば、レインボーライン(豪雪でない限り通行可。但し、タイヤチェーン必需品)がお勧めです。また、ケーブルで、三方富士と呼ばれる梅丈岳の頂上へ楽に行けます。ここからの景色は、南に三方五湖、北には日本海が眺望でき、三方五湖のベストビューポイントと言われています。
[交通アクセス]
北陸本線敦賀(小浜線乗換え)~美浜へ
[問合せ]
美浜町商工観光課 0770-32-1111
美浜町観光協会 0770-32-0121
レインボーライン 0770-45-2678
写真・資料協力:ホテル錦波様
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