写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2003.09.13
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
西に中央アルプス、東に南アルプスの両雄姿を望める場所、長野県南部・伊那谷のほぼ中央に駒ヶ根市があります。自然の豊かな景色を多くの人に楽しんでもらうために、景観に不似合い看板や奇抜な建物などは「避けよう」と、住民協定が結んでいる地区もあって「町の景観」を大事にしている駒ヶ根市です。
こんな閑静な町に、花火の火の粉が雨のように降りそそぐ中を裸で飛び込む、何とも荒っぽいお祭り、五十鈴神社例祭が、9月23日にあります。例祭が行われる大宮五十鈴神社は、1600余年前、熱田大神を祭ったのが始まりだそうですから、その歴史も並みではありません。当日は、午前中から夕刻にかけて「獅子練り」の行事があって、午後7時前後から「大三国花火」があります。
獅子練りの由来は「昔、大獅子がやってきて、野を荒らすことから、住民は天狗・鍾馗(しょうき)・オカメ・ひょっとこなどに変装し、獅子に酒を飲ませて笛や太鼓で囃し立て神社へ誘い込みます。酔った獅子を押さえつけて首を切り落とし御神前に捧げた」とされています。この由来に基づき、行列を作って練り歩きます。
高張り灯籠(たかはりとうろう)を先頭に、錫杖(しゃくじょう)、愛嬌者の道開(みちびらき=道路の邪魔になるものを払い除け、沿道の観客に近づいては滑稽な仕草をします)、一本歯の高下駄を履いた天狗、魔除け・病除けの神様の鍾馗、金棒を天高く突き上げて押し進む赤鬼と青鬼、大黒様 恵比寿様、ぴょんぴょんと、足取りも軽く4匹の狐、ひょっとこ・おかめ、大太鼓・締太鼓、笛と、続きます。さらに、榊持ち、傘持ち、獅子招き、獅子曳きは、子供達が色とりどりの袴・着物で、顔をきれいに化粧し、花笠を背負ってかわいい花を添えます。「ソラーイ」というひときわ大きなかけ声とともに町中を練り歩きます。
この獅子練りは、3地区の持ち回りで、今年は「中割南割」が当番で、神社から遠いために、当該地区で練り歩き、夕刻、車で神社に来て、参道を進んで、社殿前で獅子切りを行います。
囃子にあわせ、迫力ある太刀振る舞いを続ける剣士2人。酔いが醒めて激しく怒り狂う獅子に切り付けます。大太鼓・締太鼓・笛を鳴らし、クライマックスの「獅子練り込み」になります。「討ち取ったりー!」の勝ち鬨の声とともに、境内に集まったたくさんの参拝者から万雷の拍手が沸き起こります。
三国花火は、大宮五十鈴神社の狭い境内で行われます。手筒花火を数倍大きくしたものを、境内に組み立てたやぐらの上からドーン、シュッシュッと打ち上げます。 この三国花火は8月から準備され、木(赤松)を伐り出し、火薬を詰める筒の加工、やぐら組み立ての順で行われます。
23日早朝、神社境内で「神迎え」「筒祓い」の神事が行われ、お祓いを受けた筒に、氏子の手によって火薬が詰められます。火薬を詰め始めてから5時間後、化粧を終えた三国は、お披露目をします。三国を担ぐ子供達も、上半身裸の大人達も、「ワッショイ!ワッショイ!」の掛け声と「ピッ!ピッ!」と吹き鳴らす笛の音に自然と力が入ります。右へ左へ道路をはみ出んばかりに練り回り、担がれた三国の周りを、オンベを振る者、玉箱を担いだ者が競いの勢いをあおるかのように飛び回り、火消し用のまといがちぎれんばかりに振られ、テンションは最高潮に。総重量250kgの三国は階段を一気にやぐらへ引き上げられます。
三国には春夏秋冬、日本の四季を現すように火薬が詰められており、4種類の火薬を、平均100~150回ずつ打ちます。ラッパ隊による突撃ラッパによって点火され、境内は花火の花園のように彩られます。色合いで四季の変化を表現した見事な世界に誘われます。その下では、ねじり鉢巻きに上半身裸になった競い衆が火の粉のまっただ中へ飛び込んで行きます。
駒ヶ根市は、1000mを一挙に昇降するロープウェイで行ける、かの有名な千畳敷カール(2万年前頃、氷河で削り取られたお椀型の地形)の入口にあたります。千畳敷カールは、高山植物など四季折々、楽しめます。ちなみに紅葉は、10月から11月にかけて山頂から麓へと紅葉が降りてきます。
[交通アクセス]
JR新宿駅から中央本線岡谷まで約2時間30分→飯田線駒ヶ根駅まで約1時間
また、各方面から高速バスもあります。
大宮五十鈴神社は、飯田線駒ヶ根駅から徒歩10分
[問合せ]
大宮五十鈴神社 0265-83-0939
駒ヶ根市役所 0265-83-2111
写真・資料提供:大宮五十鈴神社
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