写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2003.11.29
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
お米の収穫が終わって一段落すると、全国各地で神楽が演じられます。ここ高知県は池川町に、池川神楽と安居(あんい)神楽の2つの国指定重要無形民俗文化財があります。12月12日に行われるのは安居神楽で、熊野神社で正午から催されます。安居神楽の起源については、文献もなく定かではありませんが、土佐神楽の中では、最も古い要素を残し、素朴な舞で神楽の原点があるとも言われ、バラエティーに富んでもいます。
ところで最近、神秘性、内容を理解すると楽しいことなどから、神楽が見直されてちょっとしたブームにもなっています。地方によって異なりますが、神社で奉納されたり、一般の家で行われたりします。夜を徹して神楽が舞われる場合も多くあります。しかし近年は、神楽競演大会や各種イベントなどで一年中神楽を見ることができ、夜間から昼間へ移行するケースも増えているようです。
ちなみに、この神楽の起源は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋戸に姿を隠した際、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が岩屋戸の前で舞い踊ったとされる神話が定説となっています。また神楽は、宮中でおこなわれる御神楽(みかぐら) と、民間でおこなわれる里神楽に大別されます。さらに里神楽は、巫女、出雲流、伊勢流、獅子(しし) 神楽などがあって、これに各土地の特徴が加えられているそうです。
安居神楽は、この池川町の熊野神社と仁淀川沿いにある、伊野町の八所河内神社と隔年で催され、今年は池川町が担当になります。演目には、幣舞、順ノ舞、悪魔祓、 神迎え、猿太彦大神、舞出シ、二天、将軍弓舞、手草、和卓など16の舞がありますが、ひとつの舞で5分から30分かかり、これを10人の太夫で4時間前後、延々と演じられます。
太鼓の合図で神楽が始まると、狩衣、烏帽子(えぼし)など様々な衣装を付けた太夫たちが次々と現れ、太鼓に祝詞や歌が重なります。鬼が登場したり、なぎなたを振り回したり、歌と太鼓だけの神秘的で素朴な舞です。時にはユーモラスに怖い鬼がズッコケながら、餅やみかんをばらまきます。
撮影は舞の邪魔さえしなければ、自由だそうですが、神々の降臨(こうりん)を願ったり、人々に伝えたりしますので、神聖な行事であることを念頭において行動してほしいとのことです。また、演者の目前でストロボをたいたりしないようにしてください。
一方、仁淀川の支流、土居川と安居川を中心にした池川町は、四国山地を背にした典型的な山村で、四季それぞれに素晴らしい景観を見せくれますが、安居渓谷には飛龍の滝、見返りの滝など滝が散在しているのに加え、沈下橋や秘境と言われる椿山(ツバヤマ)集落(下:写真)などがあって、被写体には事欠かない場所がらです。
[交通アクセス]
JR四国土讃線佐川駅→バス約35分→池川町役場前
熊野神社まではタクシーを利用。バスの本数が少なく、町内を撮影するにはマイカーが有利。
[問合せ]
池川町役場 0889-34-2111
池川町教育委員会 0889-34-2480
写真・資料提供:池川町役場
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