写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2005.03.19
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
昨年12月に、インドネシアのスマトラ島沖で発生した大地震、そして、この地震によって引き起こされた大津波は、インド洋周辺諸国全体にわたって、甚大な被害をもたらしました。犠牲になられた方のご冥福、怪我をされた方のご回復をお祈りするとともに、一日も早い現地の復興を願いたいと思います。今回ご紹介するモルディブも、大津波で被災した国の一つです。
モルディブは、日本人にもよく知られているビーチリゾートの一つですが、国の産業の多くを観光に依存しており、津波被害からの復興のためにも、早期に観光産業を立て直すことが求められています。
そんなわけで今回は、青い海と白い砂が美しい観光立国モルディブについて、ご紹介したいと思います。世の中には、いろいろな考え方の人がいるので、「被災地域に観光で遊びに行くとは不謹慎ではないか?」と思う方も、おそらくいらっしゃるでしょう。しかし、観光が経済を支える国であるならば、観光客が以前と変わらぬように訪ねてくる姿こそが、復興への道を開くことになるのは、紛れもない事実ですし、現実的にも被災していない地域の方がたくさんあります。観光客が訪問して、被災を免れた地域の経済が活性化すれば、それが、被災地域の再起につながる力となります。今回の記事が、微力ながらモルディブ復興の一助となれば幸いです。
モルディブは、赤道直下のインド洋に位置し、26の環礁の中に、1190の小さな島々が点在している群島国。島といっても、日本の離島とは違って、高地がなく、平べったい珊瑚礁の島なので、いずれも海抜は1メートル前後です。イメージとしては、マンガで出てくる無人島のような感じで、本当にそういう無人島もあります。国土の99%以上は海で、陸地部分はわずか1%未満。そんなわけで、国内の移動手段は、基本的には船しかなく、「海洋国家」とも言えます。空港に到着して外に出ると、いきなり船着場があって、びっくりしますよ! 船に弱い方は、酔い止めの薬もお忘れなく。モルディブ人は敬虔なイスラム教徒で、一般の国民が暮らしている観光地ではない島では、イスラム文化の影響が垣間見えます。首都はマーレ。それぞれの島は、たいへん面積が小さく、一つの島の中はどこへでも歩いて行けるほどです。
モルディブの主要産業は、観光と漁業。古くから、日本の「鰹節」にするカツオが獲れる場所としても有名です。また、近年は外国人客を招くために開発・整備されたビーチリゾートが、観光地として日本人にも人気を集めています。一つの島には、一つのリゾート(ホテル運営会社)しかないので、プライベートビーチ感覚を満喫できます。ホテルは高層ビル形式ではなく、1室ずつ独立した平屋のコテージが点在するスタイルなので、滞在する施設は「リゾート」という名で呼ばれることが多いようです。超高級なキャンプ場と思っていただければ、イメージがつかめると思います。
モルディブはイスラム教国なので、酒類や豚肉は基本的には禁止なのですが、外資が開発したリゾート内は“治外法権扱い”。レストランやバーで、美味しい食事とお酒を楽しめます…、というか、ほとんど何もない島暮らしでは、それが最高の楽しみです。訪問者の多くは、バカンスの習慣がある欧州系の観光客が中心。働かなくてもいいお金持ちばかりかと思いきや、本国より相対的に物価が安いので、休暇中の生活費を節約するために来るという欧州人も多いそうです。そんなわけで、リゾートでの食事は洋食中心となるため、現代の日本人にとっても、さほど違和感はないでしょう。モルディブは珊瑚礁が美しく、特にダイビングを楽しむ人たちにとっては、「聖地」のような場所です。サーフィンやフィッシングなど、マリンスポーツ愛好家に人気のスポットとしても知られています。
写真を撮る上での楽しみとしては、珊瑚礁に映える海と空の色がドラマチックに変化する、朝焼けや夕焼けのシーンなどが、特におすすめ。赤道直下なので、昼間は太陽が真上に来るため、風景や記念写真も逆光などをあまり気にせずに撮影できます。その光線状態は、まさに天然の写真スタジオで、実際にも化粧品や水着の広告用写真やCMのロケ地に選ばれることも多いです。風景は、空や砂浜が大半を占めるシンプルな構成なので、強い日差しや照り返しに露出が過度な影響を受けないように気を付ければ、きっと、見たままの感動をカメラに写し取れると思います。あと、海に潜れる人は、水中撮影の機材を持って行くと、より面白いかもしれません。
注意点としては、デジタルカメラを充電する場合、モルディブの電圧は日本よりも高いので、変圧器が必携です。忘れてコンセントに直結すると(プラグの形も違うので実際にはつながりませんが)、充電器もバッテリーも壊れます。機材が一旦壊れてしまうと、国土全体が「離島」であるため、短期間で代替品を入手するのが難しい場合も多いのでご注意を。ちなみに、モルディブの電気は、各リゾートごとに船で持ってきた燃料を使って、自家発電でまかなっています。決して電気が豊富にあるわけではないので、デジタルカメラやパソコンなど電子機器を持ち込む場合は、その点、覚えておいてください。
また、乾電池などを使用する場合も、いらなくなった使用済み電池は、現地で捨てずに持ち帰ってください。リゾート内には、日本のように「燃えないゴミ」を処理する高度な施設が、ほとんどありません。各島内に置いてきた「燃えないゴミ」は、処理できなければ、そのまま島の裏側に放置されて、この美しい環境を破壊することにつながります。フィルムケースや、商品のパッケージなど、写真関連の商品はゴミが出やすいので、ぜひとも気を付けたいものです。
といった感じで、ざっとモルディブの魅力をご紹介しました。今度の春休みや、5月の連休のときにでも、思いきって、訪ねてみてはいかがでしょうか?
モルディブに行くと、南の島のリゾートというイメージ以上に、「辺境の地」で(と言っては失礼かもしれませんが)、海とともに、たくましく生きる人々の姿に出会えます。日本流に言うと、全国民の半分は「海の男」なのです。観光に力を入れている国だけあって、気さくで温和な人もたくさんいます。公用語は「ディベヒ語」ですが、観光客の行く島では英語も問題なく通じますので、現地の人との会話も楽しんでください。みやげもの店などでは、日本語を話す人もいます。
※写真は、クダフラ島のスケッチです。
写真提供:写真家・澁谷恵宜(C)Shigenori Shibuya
■参考情報■
●モルディブ政府観光局
●外務省・各国インデックス
●スリランカ航空
●シンガポール航空
●マレーシア航空
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