写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2005.04.09
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
写真で、いい作品を撮るためには、普段から状況をよく知っている、身近なシーンにカメラを向けるのも一策。決して、遠くまで旅行に行けなくても、すぐそばに傑作のタネは眠っているのです。お休みの日には、お弁当とカメラを持ってピクニック気分で、気軽な撮影を楽しんでみては、いかがでしょうか?
今回は、簡単そうに思えて意外と難しい、「野良ネコ」を撮るためのコツを、ご紹介したいと思います。これなら、ネコを飼ってない人でも気軽に撮影できるので、どこかでネコに出会ったら、カメラを向けてみてください。
○一眼レフカメラ+標準レンズ(フィルムでは50mm、普及型デジタルでは28~35mm前後)、または標準系ズームレンズ。1m以下の近距離までピントが合うレンズがおすすめです。
○ネコは夜行性のため、朝夕の方が見かける機会が多いので、暗くても撮りやすいF2.8以上の大口径レンズが尚良し。
○コンパクトカメラの場合は、近距離では、光学ファインダー像と実際の撮影画像が、微妙にズレてしまうことがあります。
○動物が被写体の場合、撮影枚数が多くなりがちなので、フィルム・データカードは十分に用意しておきましょう。
○露出は、カメラブレしない程度のシャッター速度(標準レンズで250分の1秒程度)に設定して、シャッター速度優先オートで撮影すると、撮りやすいです。
桜の花と組み合わせてみました。
最初は、これくらいの距離から撮影を始めます。
逆光ですが、ネコの耳が影絵のようになっています。
地面が砂利で、動くと足音を警戒されてしまうので、
その場で撮影しました。
慣れてくると、近くからカメラ目線で撮らせてくれます。
あたりをキョロキョロと見まわすので、正面から撮った
ショットを狙うなら、シャッターは多めに切るのがコツ。
「野良ネコ」は、どこで出会うかわかりません。でも、多くの場合、ネコ好きの人がエサを与えている「エサ場」があるので、公園などを通りがかったときに、よく観察しておけば、撮影場所に狙いを付けることができます。
「野良ネコ」がいる可能性が高い場所は、公園のほか、お寺、神社、庭園、漁港、市場、魚屋や定食屋などがある古い商店街などです。 (こうした場所にいるネコは、実際には、本当の「野良ネコ」ではなくて、屋外に自由に出入りしている飼いネコである例も、かなり多いです。)
ただし、ネコの撮影にガイドブックのようなものはないので、実際には、皆さんそれぞれで下見をして、いい場所を見つけてください。
ネコ撮影のコツは、なるべくネコに近付いて撮ることです。でも、「野良ネコ」は警戒心が強いので、ネコにとって、撮影者が威嚇的と見えるような動きをすると、すぐに逃げます。逃げられないようにするには、ネコの方から近付いてきてもらうのが、いちばんいい方法です。
「野良ネコ」に出会ったら、急いで追いかけたりはしないで、その場にしゃがみこんで、そっとカメラを構えます。人間が立ったままだと、ネコにとっては上から威圧されるように見えるので、ネコの目線の高さまで姿勢を低くして撮影を始めましょう。
しばらくの間、「野良ネコ」は、チラチラと目配せをしているでしょうが、ある程度、人になついているネコなら、警戒が解けると勝手に近付いてきてくれます。そうしたら、だんだんとネコが近付いてくる間、可能な限り、シャッターを切り続けていきましょう。相手が動物だけに、いつ気が変わって逃げ出すかわからないので、シャッターチャンスがめぐってきたら、撮れるだけ撮るというわけです。警戒心の強いネコの場合は、しばらく撮影者の動きを観察した後、スキを見て逃げてしまいますが、そのようなネコは撮りにくいので、素直にあきらめて、ほかの撮りやすいネコを探しましょう。
まれに、撮影していると、足元に擦り寄ってくるネコもいます。撮影機材を用意している様子が、エサをくれそうな感じに見えるようです。こういうネコは、逃げ出す心配があまりないので、じっくりとモデル役を引き受けてもらえます。「野良ネコ」でも仔猫は、わりと、よくなついてくれることが多いです。ただ、撮影しやすい場所・時間に、仔猫に出会える機会は、非常に少ないのですが。
フィルムの本数や、データカードの容量を惜しまずに、とにかく、ネコに出会ったらシャッターをたくさん切ること。撮れるだけ撮って、後で、いい写真を選べば良いのです。相手が気まぐれに動くものなので、構図、ピント、ブレなど、撮影条件は不規則に変化します。撮影点数が少ないと、「いいシーンだけどピントが外れている」「シャッターのタイミングがズレて位置が悪い」など、惜しい失敗が出現しやすくなります。ですから、ある程度の撮影ロスが出るのは承知で、気前良く撮った方が、結果的には「撮影に出かけた手間」そのものをムダにしないで済むので、満足のいく作品を撮ることができます。
撮影でネコを追いかけるのは、ほどほどに。ほとんどの場合、ネコは警戒すると逃げますが、油断して近付き過ぎると、爪でひっかいたり、“ネコパンチ”で逆襲することもあります。「野良ネコ」は野生動物なので、肌をひっかかれたりした場合は、傷口を早めに消毒するなどの手当てをしてください。寄生虫病などを持っているリスクもあります。
近距離でネコを撮影する場合、ローアングルになることが多いので、各カメラメーカーがオプションで発売している「アングルファインダー」を使用すると、楽に撮影ができます。低い姿勢で、横方向から普通のファインダーを覗き続けると体に無理がかかりますが、「アングルファインダー」があると、上方向からファインダー像を覗くことができるので、長時間撮影しても、苦痛を感じません。
「アングルファインダーVn」
ファインダーに装着して使用
作品写真提供:写真家・澁谷恵宜(C)Shigenori Shibuya
希望小売価格:¥12,000(税別)
1倍・2倍の倍率切り替えが可能。
各社とも、同様の製品があります。
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