写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
※掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、ページ公開日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
2005.05.07
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
デジタルカメラが急速に普及した一方で、すっかり影をひそめた「APSカメラ」。1996年に全世界で導入された、「アドバンスト・フォト・システム(Advanced Photo System)」という、新規格のフィルムを使うこのカメラも、いまでは探すほうが難しくなっています。
24ミリ巾のスリムな銀塩フィルムに磁気層が塗布されていて、撮影データの記録が可能。現像したフィルムも、シートではなくカートリッジに入ったまま管理できるというのがセールスポイントで、当初は鳴り物入りで登場し、各カメラメーカーが新機種の導入を競ったものでしたが、現在では、一部メーカーがコンパクトタイプのカメラを販売しているのみです。
キヤノンの「IXY(イクシ)」ブランドも、最初はAPSカメラとして誕生したものでした。APSカメラのラインアップが多かったキヤノンとミノルタ(現コニカミノルタ)も、現在では、APSカメラの生産は行っていません。
一方で、APS登場以前から普及していた従来の35ミリフィルム用カメラは、ブランド力のある一眼レフを中心に底堅いニーズに支えられて、現在でも健闘しています。'90年代にAPSに流れた初心者ユーザー層は、その後で、そっくりそのままデジタルカメラに移ったと見られますが、もともとAPSを、それほど支持してはいなかった品質・ブランド重視の写真愛好家層は、デジタルカメラの時代にあっても、35ミリフィルム用カメラを見切ってはいないようです。この写真愛好家層においては、今後も、デジタルと35ミリフィルムを共生させていくことが予想されます。
現在、APSカメラは、その小さなフィルムサイズを活かして、機能的な拡張性よりもデザイン性を重視し、コンパクトカメラに特化したモデルを中心に発売されています。
実用性はさておき、コレクターズ・アイテムとしては、そのうち希少価値が出てくるかもしれないので、持っていて面白いかもしれません。
なお、APS用フィルムは、現在も、引き続き発売されています。キタムラ各店でのDPE対応も継続していますので、撮影は十分可能です。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。