写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2005.08.20
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
只今、暑さ真っ盛り! こんなときは、たとえ熱心な写真愛好家だって、そうそう気軽には炎天下の撮影に出かけてもいられない…。それならば、暑い日中を避けて、日没後に夕涼みがてらの撮影にトライしてみてはいかがでしょうか? 撮るものは、「夜景」。夜の街に灯るビルの明かりや、ライトアップが作り出す風景です。いつも見慣れた景色でも夕闇の中に浮かび上がれば、また違った雰囲気を醸し出すはず。夜景は都会で撮影できるので、平日のアフター5からでも、デジタル一眼レフを持ち出してみましょう。
自分の住んでいる街の夜景を撮る場合は、ショッピングや、日頃の通勤・通学の際に、絵になりそうな夜景が眺望できる場所を探しておきましょう。公園やビルの展望台、港の桟橋などが狙い目です。できれば、一度はカメラを持っていないときに下見をしておくと、限られた時間で効率的に撮影できます。
旅行などの際に、地方都市の観光地で夜景を撮る場合は、ガイドブックや観光案内所の情報などを参考にしてください。
デジタル一眼レフは、光学式ファインダーを備えて、レンズ交換が可能な、“本物の”一眼レフがおすすめです。夜景を撮影する場合、被写体の明るさが足らないためオートフォーカスが効かないことがあり、その際は、ファインダー像を目視で確認しながらマニュアルフォーカスでピントを合わせる必要があります。このときのピントの合わせやすさという点で、液晶モニターではなく、レンズを通した実像を光学ファインダーで見られる一眼レフカメラが、夜景撮影には有利です。
また、夜景撮影では、シャッター速度が遅くなり、数秒間の露光を必要とすることもあるので、三脚は必需品です。最近のデジタルカメラには手ブレ補正機構が搭載されていますが、秒単位の低速シャッターとなっては、さすがに補正だけではブレをカバーしきれません。なお、三脚使用時には、シャッターボタンを直に指で押してカメラブレすることを避けるため、専用のリモートコード(またはケーブルレリーズ)の使用もおすすめします。こうしたアクセサリー(周辺機器)が使えることも、一眼レフならではの利点です。
色彩感、奥行き感がある美しい夜景を、風景作品として撮影したいのなら、最も大切なことは、良い撮影時間を選ぶことです。ベストのタイミングは、日没の瞬間から、空が完全に暗くなるまでの1時間くらい。この時間帯なら、写真の画面全体にも色味が出せるので、真っ暗な背景に点光源だけが写っている素っ気無い写真になってしまうことはありません。自然光で景色がまだ見えるうちに、空の色と、夜景の光まで、すべて一緒に画面に入れて撮影しようというわけです。
空に明るさが残っていれば、ファインダーで景色を見ながら、適切に構図を決めることができます。完全に暗くなると、人工光だけが作り出す景観になるので、構図の難易度は少々アップします。画面内に単なる暗闇の部分が多くなると、画面構成が単調で緩慢な感じになるので、その場合はズームレンズを使って、フレーミングを適宜調整しましょう。
空が完全に暗くなる前なら、カメラの内蔵露出計が正常に働くので、使用する機材にもよりますが、多くの場合はカメラまかせの自動露出でも、問題なく撮影できるものと思われます。絞り値は、普及機に標準でセットされているズームレンズの場合、もともと明るさがF4~5.6程度なので、だいたいこの開放値くらいに設定します。
これで、絞り優先もしくはマニュアルモードで、カメラの指示するシャッター速度を選ぶと、ほぼ確実に手ブレする数値となるので、面倒でも三脚とリモートコードを使用しましょう。1秒以上のスローシャッターになることもあります。
ちなみに、夜景だけを撮る場合には、夜景に向かってフラッシュを焚いても光が届かないので、まったく使う意味がありません。(夜景を背景に、カメラの近くに立っている人の記念写真を撮る場合は、フラッシュを使用します。)
撮影感度は、ISO400程度を基準に、デジタルの場合は一度テスト撮影して、モニターを見ながら適宜調整してみてください。ただし、感度を高くしすぎると撮影画像にノイズが入ることもあります。カメラまかせで思うような写真にならない場合には、露出をマニュアルモードに切り替えて撮影してください。シャッター速度は、カメラの指示する数値で画像が暗すぎる場合は遅めに、明るすぎる場合は速めにします。
スローシャッターになることを利用して、露光中にズームレンズを手動操作して焦点距離を変えたり、ピントを外すと、面白い画面効果を生むことがあります。こういう凝った表現テクニックも、レンズ交換式の一眼レフだからこそ実現可能となるものです。時間に余裕があったら、いろいろと試してみてください。
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