写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2005.09.17
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
コンパクトデジタルカメラやレンズ一体型デジタルカメラでは味わえない、デジタル一眼レフカメラならではの魅力は、自由自在にレンズが交換できること。本体10万円クラスの機種を購入された方は、焦点距離がおよそ18~200ミリをカバーするように、ズームレンズ2本程度を選ぶことが多いかと思います。では、その範囲を超える望遠レンズ、または広角レンズがあると、どんな写真を撮ることができるでしょうか? 写真の楽しみ方を、より一層広げるために、超望遠・超広角の世界をのぞいてみましょう。
自然風景や、動物、スポーツなどを撮影する場合には、超望遠レンズがあると写真の迫力が一段とアップします。地理的な条件や、展望台などカメラの立ち位置の関係で、被写体に近づくことができない状況に出会ったら、超望遠レンズの出番です。
望遠レンズには、遠近感を圧縮する効果があり、無限大(∞)でピントが合う範囲に写り込んだものは、実際の位置が前後していても、ほとんど同じ位置に、まるで貼り付けてあるかのように見えます。それと同時に、被写界深度(ピントの合う範囲)そのものは狭く、近い距離にピントを合わせたときには、背景が大きくボケます。よって、無限大以外では慎重にピント合わせを行わないと、AFでも簡単にピンボケになりがちです。
望遠レンズは、例えるなら望遠鏡と同じなので、構図に関してはそれほど難しいコツはありません。ただ、標準レンズよりカメラぶれが目立ちやすくなるので、「焦点距離分の1秒」以上の高速シャッターをできるだけ使用し、スローシャッターになるときは、手ブレ補正機能または三脚を使用する必要があります。
普及型デジタル一眼レフでは、焦点距離がレンズの表示に対して約1.5倍に引き伸ばされるので、もともと望遠効果が出やすくなっています。35ミリフィルム用一眼レフで中程度の望遠として使っているレンズでも、普及型デジタル一眼レフに装着すると、超望遠レンズとして使用可能です。望遠派の方には、デジタル一眼レフは、無条件で望遠効果がプラスされる有利なツールと言えるでしょう。
写真をただ普通に撮るだけでなく、自分の個性を表現する「作品」としての斬新さやインパクトを求めるなら、超広角レンズを使うと面白い効果が得られます。ただし、超広角レンズの使用に際しては、構図に工夫が必要です。広角レンズは、一度に広い範囲が写る一方で、被写体の一つ一つのサイズは、画面内ではかなり小さくなってしまいます。また、レンズの特性として、画面周辺では被写体に歪みが生じます。よって、標準レンズと同じように、普通に撮影しただけでは、何を撮ったのかわからない散漫な印象の写真になりがちです。
そこで、広角レンズでの撮影時には、最も撮りたい被写体に、ぶつかるほど思い切って近づく必要があります。広角レンズは、最短撮影距離が非常に近く、単焦点レンズではレンズ先端から10cm以下まで近寄れるものもあるほど。被写体に至近距離まで近づくと、被写体の形や背景を含めた画角は、ほんのわずかにカメラ位置が動いただけでも非常に大きく変化するので、広角レンズならではの効果を実感することができるでしょう。
なお、広角レンズは、被写界深度(ピントの合う範囲)が極めて大きく、2~3メートル程度先と無限大(∞)を、ほとんど同じ距離として扱えます。このため、至近距離以外では、あまりピントに気を使わなくても、シャープな輪郭の写真が撮影可能です。
注意点としては、画角が非常に広く、空などの極端に明るい、または暗い背景が写り込む場合、カメラの自動露出が影響を受けてしまう場合があるので、露出に気を配って撮影しましょう。スポット測光でも、測光対象の範囲が広くなりすぎて、その役目を果たしにくいこともあります。なお、普及型デジタル一眼レフでは、レンズの焦点距離が一律に1.5倍程度になるので、超広角レンズの実力が発揮できない場合もあります。超広角レンズの特性を最大に生かして撮影するなら、フィルム一眼レフ、または35ミリ判フルサイズタイプの高級デジタル一眼レフを使用するのが良いでしょう。
レンズを購入する際は、被写体の好みや、よく撮影するシーンのイメージに合わせて、超望遠、超広角どちらの使用機会が多いか、検討してみてください。珍しい焦点距離のレンズは、多少は値段も高めになりますので、両方を一度にではなく、よく使う方から揃えていくと予算の節約になります。友人・知人に同じレンズマウントのカメラを使っている方がいれば、その人が持っていないレンズを自分で購入し、必要に応じて貸し借りしながら撮影することもできます。
ちなみに、望遠系レンズの方が、広角系レンズより大きくてかさばり、しかも重い場合が多いです。また、超望遠レンズは、撮影しないときに望遠鏡代わりに眺めていても、それなりには面白いものですが、広角レンズは本当に写真表現だけが専門のレンズなので、どちらかというと、初心者の方にはハードルが高いかもしれません。
交換レンズは、一眼レフのボディと同じカメラメーカーの純正レンズと、レンズ専業メーカーが各社マウント別に発売しているレンズの両方から選ぶことができます。両者間には、価格のほか、フィルター径や、最小絞り値、最短撮影距離、連動する自動制御機能などにも違いがあるので、カタログやホームページをご覧の上、撮影目的にあった製品をお選びください。35ミリ判の一眼レフと普及型デジタル一眼レフで同じレンズを共用したい場合には、デジタル専用設計のレンズではなく、一般用のレンズを揃えておく必要があります。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。