写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2005.12.31
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
今回は、2006年になって初めての企画ということで、いつもとは趣向の違うお話をご紹介したいと思います。近未来のカメラは、果たしてどんなカタチで発展するのか?
お正月らしく、ちょっと夢のあるテーマを選んでみました。
新年が明けて、今年は十二支の「戌年」(いぬどし)です。ということもあり、今回はソニーの犬型エンターテインメント・ロボット「AIBO」(アイボ)に注目します。「カメラとは関係ないのでは?」という声も聞こえてきそうですが、実は、この「AIBO」、しっかり電子の目としてデジタルカメラを内蔵していて、最新型では、自分の判断だけで写真の撮影までも、こなしてくれるのです。
スペック表を参照すると、最新型「AIBO」の「ERS-7M3」では、本物の犬なら鼻先に相当する部分に、35万画素CMOSイメージセンサーを採用した、カラーカメラを搭載。最近のデジタルカメラが、標準で500万画素レベルの画質レベルにあることからすると、やや荒めの画素数ではありますが、それでも画質は一般的な携帯電話の内蔵カメラと同等レベル。「AIBO」の“鼻”でも、一応、デジタル写真および動画を撮ることができます。画像ファイルはJPEG形式なので、小さいサイズであればプリントも可能です。
写真の撮影方法は、「AIBO」が見ている視界=内蔵カメラの画像を、パソコンを通してモニターしながら、パソコンからのリモートコントロールで、静止画・動画を撮影する方法が一つ。そして、お留守番モードのとき、あらかじめ設定しておいた間隔(インターバル)で自動的に動画を録画したり、「AIBO」が動くものを見つけたり、音を聞いたときは、連続録画(通常の録画方法)で映像を記録することもできます。「AIBO」自身が、気が向いたとき自分で勝手に写真を撮って日記を書くという機能もあり、「しゃしんとって」と話しかけるだけでも写真を撮ってくれます。付属の「AIBOカード」を見せたときに、写真を撮影するなどの芸当もできます。カメラマンとしても、かなり優秀ですね。ほかにも、パソコン・携帯電話・インターネットと連携して、いろいろな活用法が用意されています。
さて、このお利口な「AIBO」を、ロボットにカメラが付いているのではなくて、デジカメが手足を持って自分の意思で動いているのだと考えてみたらどうでしょう?
その姿から、10年後、20年後、50年後のカメラのイメージが想像できませんか? いまのデジカメでは、構図を決めたり、シャッターを切るのは、あくまでユーザーである人間の意思だけに頼っています。しかし、「AIBO」の内蔵カメラが、もう少し高画質になって仮に現在の10倍程度の300~400万画素レベルを実現したとすれば、それは十分に、自ら撮影する意思を持ったデジタルカメラになり得るでしょう。これは、もはや搭載カメラの画素数だけの問題であり、夢物語ではないのです。
家庭用ロボットがキレイな写真を撮ってくれるとしたら、それは自宅に専属のプロカメラマンがいるセレブと同じようなもので、カメラに詳しくない方でも、写真撮影の失敗をまったく気にしないで済むようになります。おまけに、バッテリーの充電が必要になったら、カメラが自分で充電器まで歩いて行って電源を補充してくれるので、取り扱いがとてもラク。近い将来、デジカメがペットになる時代が、現実になるかもしれません。
最新型「AIBO」の気になるお値段は、メーカー希望小売価格で19万4,250円(税込)。この約20万円という価格は、中級のデジタル一眼レフカメラのボディ(レンズを除く)と同じくらいです。写真に求める楽しみは、人それぞれに違うものですから、一眼レフを自分で使って撮影するのはちょっと難しそうだけど、ロボットが写真を撮ってくれるなら面白いかな? と思う方も、きっといらっしゃることでしょう。そうだとすれば、このお値段、決して手の届かないものではないはず。デジタルカメラとして「AIBO」を使えば、写真を撮ることの先にある楽しみ、そしてカメラの未来像までも、見せてくれるかもしれません。
デジタルカメラとして一つだけ難点があるとすれば、「AIBO」が基本的には、“室内犬”専門であることくらい。これが解決されて、屋外や雨天でも、壊れる心配なく写真が撮れるようになれば、そして画像センサーの画素数が、もうちょっとアップして、大型写真プリント対応の画質を実現すれば、間違いなくデジタルカメラはロボット化の方向へ進んでいくと思います。未来のカメラは、カメラの形をしていないかも? もし、そんな夢のロボットカメラが完成した日には、ロボットが自分で撮った写真のプリントを、自動的にインターネットでキタムラにオーダーして、自分で近くのお店を探して「お使い」に出かけて行って、プリントを受け取って帰ってくるといったことも、できるようになるかもしれません。キタムラのお客さまとして「お使いロボット」がご来店する日が、いつかきっと訪れる!? ということを想像するだけでも、楽しい気分になりますね。
●「ソニー AIBO Official Site」
最新型「AIBO」の魅力と機能を、わかりやすく説明しています。
戌年にちなんだ、スペシャルコンテンツもあり必見です!
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。