写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2006.01.14
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
シリーズでお届けしている、デジタルカメラの3類型。前回のコンパクトデジタルカメラに続いて、電子ビューファインダー方式ズームレンズ一体型タイプのデジタルカメラを取り上げ、その特徴を詳しく解説します。新しいデジカメを購入の際は、ぜひご参考にどうぞ。
ズームレンズ一体型デジタルカメラの例/フジフイルム FinePixS9000
レンズ交換式デジタル一眼レフに準ずる機能性を誇る、富士写真フイルムの「ネオ一眼」。光学式10.7倍ズームレンズ搭載、有効画素数903万画素の高画質で、ISO1600までの高感度撮影にも対応し、高速シャッターの使用により手ブレ・被写体ブレも軽減できます。オンラインショップ売り上げランキングでは、お手ごろ価格のコンパクト機が上位に集中する中、堂々の総合9位にランクイン。同タイプでは、ダントツの一番人気です。
コンパクトデジタルカメラの気軽な操作性と、デジタル一眼レフカメラの高画質の両面を併せ持つ、中間的な位置づけにあるのがズームレンズ一体型デジタルカメラ。レンズマウントの仕様を持たない家電系のメーカーでは、現行の最高級モデルを、このカテゴリーで発売しています。
外観デザインは一眼レフに似たシルエットで高級感を演出していますが、撮影機構的には一眼レフとは似て非なるものなので、レンズ交換はできません。コンパクト機が初心者やカメラが苦手な人にも撮りやすいお手軽仕様、一眼レフがプロやベテランの高い要求レベルに応えられる高画質仕様だとすると、ズームレンズ一体型カメラは、写真が趣味というほどではないものの、その写りにはこだわりのある「初心者卒業組」のニーズをとらえる製品になるでしょう。
このタイプの歴史は意外に長く、デジタル一眼レフがプロ用以外まだほとんど登場もしていなかったころから、一眼レフっぽい外観のズームレンズ一体型カメラは、コンパクト機よりワンランク上を求める一般のユーザーを中心に普及していました。
コンパクト機に比べると、ズームレンズ一体型カメラは外観が一回り大きく、一眼レフ同様にレンズ部が突出しているスタイルなので、比較的どっしりとした存在感があります。ボディサイズとしては余裕のある作りなので、レンズも高性能なタイプが搭載されており、望遠側でも十分な明るさ(開放F値)を確保した撮影が可能です。
ズームレンズは光学だけでも5倍以上の高倍率タイプを搭載しているものが多く、デジタルズームを併用して、超望遠撮影も可能です。レンズ交換はできないものの、一般家庭でお子様の成長記録を撮ったり、旅行でのスナップを撮るために使用する程度の焦点距離であれば、搭載しているレンズだけでも広角~望遠まで十分にカバーできます。
デジタル一眼レフとは異なりレンズが外せないので、レンズ内や画像センサーにホコリが入り込むことを、物理的に防止できます。ホコリが画面に写り込むのが心配という方は、ズームレンズ一体型デジタルカメラから撮影目的に合う製品を絞り込んでみてください。
レンズ交換が面倒、どのレンズを選んだら良いかわからないという方にもおすすめです。
ズームレンズ一体型デジタルカメラの多くは、ボディ背面の大型液晶モニターに加えて、ファインダーを覗いて見る小さな液晶画面を搭載しており、どちらでも好きな方に切り替えて使うことができます。このタイプでは、現在では光学ファインダーを備えているものはほとんどなく、背面モニター、ファインダーともに液晶画面が採用されています。
ファインダー側の液晶画面を選べば、カメラの構え方が安定するほか、屋外でも周囲の明るさに影響されずに画像本来の明るさや色を確認することができます。液晶に映る画像は、画像センサーを通って処理されたもので、実際に撮影する画像と一致しています。よって、感覚的には一眼レフタイプと同じ操作性があります。
ちなみに、ファインダーの画像はあくまでも液晶の画像なので、一眼レフの光学ファインダーに比べると、ややキメが荒いような印象を受けるかもしれません。このファインダー像は、モニター側の表示画素数の制約によるもので、実際に撮影された画像は、設定した画素数に見合った精細な写真画像として記録されます。この電子ファインダーが使いやすいと思うかどうかは、人によって好みが分かれるところです。
ズームレンズ一体型デジタルカメラは、撮影機構的にはコンパクトデジタルカメラと同じで、画像センサーに映るレンズ像をリアルタイムで表示・記録できるため、動画を撮影することも可能。光学ズームレンズ、デジタルズームも高性能なので、より迫力ある映像を記録できます。一眼レフ並みの高画質で静止画を撮影することに加えて、ときには動画も撮影したいという方には、一眼レフよりズームレンズ一体型がおすすめです。
コンパクト機の場合、初心者向けのエントリーモデルでは、絞りやシャッター速度を数値で設定する露出モードが省略されているものも多くありますが、ズームレンズ一体型デジタルカメラでは、一眼レフタイプに準ずる撮影モードを搭載した機種が多くなっています。
絞り優先モードと、シャッター速度優先モードの各自動露出、および絞りとシャッター速度をユーザーが自由に選べるマニュアル露出モードでの撮影も可能で、こだわりのある独創的な表現も可能。もちろん、簡単操作の全自動モードでも撮影できます。
ズームレンズ一体型デジタルカメラのアスペクト比(画面の横:縦の長さの割合)は、コンパクト機と同じ4:3を標準とした機種が多いですが、画像サイズの選択により、フィルムの画面サイズやデジタル一眼レフのアスペクト比と同じ3:2に設定できるものもあります。パソコンでスライドショーを表示する場合の撮影では、パソコンと同じ画面比率の4:3モードを、お店で写真プリントする目的で撮影する場合は、印画紙の寸法とベストマッチの3:2モードを使い分けることができます。
ズームレンズ一体型デジタルカメラでは、レンズ交換以外の部分ではアクセサリーの装着にも対応し、機能の拡張を可能とした製品も多くあります。フィルターや外部フラッシュなどを取り付けることもでき、デジタル一眼レフに準ずる高度な撮影を実現しています。
コンパクトデジタルカメラに比べれば、ズームレンズ一体型タイプでは、高性能な分だけ価格は少し高めに設定されています。よって、値段の勝負なら、コンパクトタイプに軍配が上がるでしょう。
ズームレンズ一体型タイプでは、機種によっては、低価格のデジタル一眼レフに標準ズームレンズをセットした場合と、ほとんど値段に差がないこともあるので、写真を本格的に撮影したい方にとっては、使っているうちに少々物足りなさを感じるかもしれません。実勢価格では、500~600万画素クラスの機種はお手ごろな価格ですが、それ以上の高画質モデルでは一眼レフタイプとの価格差は縮小します。
購入の際は、デジタル一眼レフも合わせて検討されると、納得がいくカメラ選びができるでしょう。比較の決め手は、電子ファインダーを好むかどうかと、動画撮影をするかしないかです。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。