写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2006.02.04
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
シリーズでお届けしている、デジタルカメラの3類型。コンパクト機、電子ビューファインダー方式ズームレンズ一体型タイプに続いて、デジタル一眼レフカメラ編の解説を進めています。今回は、その3の3回目となる後編です。新しいデジカメを購入の際は、ぜひご参考にどうぞ。なお、前編・中編および「一眼レフ」という用語の意味については、WEBのバックナンバーをご参照ください。
デジタル一眼レフは、故障させないように大切に使っていれば、ほかのタイプのデジタルカメラより、比較的、買い替えサイクルを長くできます。デジタル一眼レフの画素数は、一般的なコンパクト機をはるかに上回り、プリント画質と画像データの容量の関係から見ても、現行のプリント技術水準に対して、ほぼ上限いっぱいのレベルにまで成長しているので、プリントのサービスまたは機材が大幅に進化しない限り、いま発売中のカメラボディの商品価値が、極端に陳腐化する心配はありません。
デジタル一眼レフを使っていて物足りなさを感じてくる部分は、レンズやアクセサリーなど交換可能な部分がほとんどなので、これについては、後からいくらでも買い足しができます。コンパクト機やズームレンズ一体型などレンズ交換ができないタイプでは、レンズに不満があったり、レンズ部分だけ壊れた場合(修理不能時)は、ボディ全体を丸ごと買い換える必要がありますが、一眼レフタイプなら必要なレンズを買い足すだけ。結果として、1台のカメラを長く使い続けられるので、機材への投資予算を継続的に抑えることができ、累積の出費はコンパクト機よりも安上がりになる場合もあります。
デジタル一眼レフで将来的に進化が期待される部分は、画像センサーの大型化(35ミリフルサイズの普及加速)と画素数のさらなる増加、そして画像データの処理方式(JPEGに代わる高画質・低データ容量のファイル形式の登場)など。レンズ側に関しては、すでに技術が確立しており、フィルム時代からもそれほど大きく仕様が変わっていません。よって、交換レンズをたくさん所有してしまった後で、仮に、デジタルカメラに革新的な技術が導入されたとしても、一眼レフタイプなら、そのときに新しいボディだけを買い足せば、容易に最新技術を取り入れることが可能となるであろうと予想されます。
デジタル一眼レフでは、ほとんどの機種で、アスペクト比(画面比率)は横3:縦2となっており、これはフィルムカメラの画面比率と同じです。よって、キタムラのDPEプリント(お店プリント)を利用する場合、一眼レフで撮った写真なら、デジタルでも、従来からある印画紙のサイズ規格に対してまったく誤差が生じません。
一方で、コンパクト機やほとんどのズームレンズ一体型タイプのデジタルカメラでは、アスペクト比4:3となっているので、フィルムの規格に合わせて作られている普通の印画紙にプリントした場合、画面の一部が印画紙からはみ出してしまい、プリント上ではその部分がカットされてしまいます。なお、キタムラでは、デジカメ専用サイズの印画紙プリントもラインアップしているので、サービスサイズであれば、コンパクト機で撮影した写真でも画面がカットされることなくプリントすることは可能です。
オリンパスのデジタル一眼レフは、デジタル専用設計であるため、アスペクト比はコンパクト機と同様の4:3となっています。これは、一般用印画紙のプリント規格とは一致しませんが、パソコンやテレビに画像を表示する場合には、ほかのメーカーの一眼レフにはマネのできない、安定した画質での再生性能を発揮するので、用途に応じて使い分けてください。
普及機の例/ニコンD50
ニコンブランドでは最も低価格で、なおかつSDカードも使えるファミリー用、一眼レフ入門用としても注目の機種(ブラック/シルバーの2色)。
CFカードを使うなら、1ランク上のD70sもおすすめです。
デジタル一眼レフでは、撮影した画像データをJPEG形式に圧縮処理しないまま保存するモードがあり、「RAWデータ」として扱うことができます。これは各種の画質設定を、撮影時点で選択・確定するのではなく、パソコンを使って後処理できるようにする機能で、色再現にこだわりのあるベテランカメラマンに好まれることが多いようです。この機能を使えば、写真画像の明るさや、色の濃さや、ホワイトバランスなどを、カメラを買ったときに付いている「現像ソフト」と呼ばれるパソコンソフトを利用して、自由自在に変えることができます。
もちろん、JPEGモードでも撮影は可能ですが、JPEGでは撮影直後に画像を保存する段階で、ホワイトバランスをはじめとする各種設定は確定され、後で変えることはできません。こうした設定を確定せず、生の元画像を残すのがRAWデータで、写真作品に芸術的な表現を求める方には、活用をおすすめしたい機能の一つです。
ただし、基本的にRAWデータは、撮影者が自分で画像処理作業を行って、家庭用プリンターで出力することを目的とした機能なので、通常のお店プリントにオーダーができません。また、データ容量が大きいので、そのままではインターネットを通じたプリント注文もできません。キタムラの場合も、一般向けサービスで取り扱っているプリントはJPEGデータのみなので、お店で安く手間なくプリントしたい写真は、あらかじめJPEGモードで撮影してください。ただし、RAWデータでも、画像処理済の画像をJPEGで保存すれば、お店プリントも可能です。
コンパクト機に比べてデジタル一眼レフでは、実際の撮影に使われる画素数が多く、写真1点当たりの画像データ量も大きくなるため、メモリーカードにも大容量に対応したタイプが採用されています。最も採用例が多いのは、CFカード(コンパクトフラッシュ)。このカードスロットを持つ機種では、同じサイズで中身がハードディスクになっているマイクロドライブも使用できます。コンパクト機でCFカードを使用している製品は、現在ではほとんどないので、デジタル一眼レフにステップアップしたら、ほとんどの場合、カードも合わせて新しいものに切り替える必要があります。
なお、最近発売された普及価格帯のデジタル一眼レフについては、コンパクト機では最も採用例が多いSDカードが使える機種も一部存在します。この場合、コンパクト機からの買い換えも容易です。
また、プロ用の高級機では、CFカードとSDカードの両方を採用し、2枚のカードを使って画像が記録できる機種もあります。こうした機種では、どちらか一方の好きなほうを使うことも、同時に2枚使って、画像のバックアップを取ることもできます。
デジタル一眼レフの価格はピンからキリまであり、安いものはレンズが付いて10万円でお釣りが来る普及モデルから、システム一式を揃えると100万円を軽く超える超高級モデルまで、実にさまざま。ただし、価格が下がって買いやすくなっているコンパクトデジタルカメラの相場に比べれば、最低でも2倍以上のお値段にはなります。
したがって、実際に使って購入価格のモトを取るには、コンパクト機ユーザーの標準的な年間撮影枚数に対して、2倍くらいは撮る必要があると言えるでしょう。一般の方の場合、フィルムカメラでは、お正月に入れたフィルムをゴールデンウィークの旅行で撮りきって現像に出すといった例もありますが、少なくとも1ヶ月ごとに36枚以上(フィルムなら1本分)は撮る程度の使用頻度があることが、一眼レフタイプを選ぶ一つのボーダーラインになるかもしれません。
一眼レフは、写真好きの方をユーザーに想定して多機能に設計されているので、ご購入の際は、そういった一眼レフの付加価値的な面も加味して、目的に合うデジタルカメラを選んでみてください。撮影枚数はあまり多くないが、機能の多さには関心があり、凝った写真を撮ることがもしかするとあるかもしれないという方は、デジタル一眼レフよりも、ズームレンズ一体型タイプを選んだ方が、撮影目的と購入予算のバランスを取ることができます。
高級機の例/ニコンD200
有効画素数10.2メガピクセルを実現した、最新モデル。
このクラスでは比較的リーズナブルな価格で、ベテランの写真愛好家がフィルムからデジタルに乗り換える場合などにも、大いに関心をそそられる高機能モデルです。
一眼レフタイプのメリットは、レンズ交換ができることが第一。しかし、それだけでなく多種多様なアクセサリーを取り付けて使用できるシステムとしての拡張性においても、たくさんの特徴があります。例えば、大容量で光の向きを自在に変えられるフラッシュや、リモコン、無線LANでの画像転送(一部高級機)、望遠鏡などへの取り付け、水中撮影用の装備など。いろいろなアクセサリーを組み合わせて、撮りたいと思うものを確実に撮ることができるのです。
ちなみに「アクセサリー」とは、クルマのデコレーションパーツのような装飾部品ではなくて、カメラに装着できる撮影用補助器具を意味する用語のこと。コンパクトデジタルカメラで、写り具合に不満がある場合でも、適切なアクセサリーを取り付けてデジタル一眼レフで撮影すれば、ほとんどすべての問題は解決が可能です。
皆さんも、「もっと上」の写真を撮りたいと思ったら、ぜひデジタル一眼レフカメラにもトライしてみてください。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。