写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー
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2006.05.13
ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!
フィルム派の写真愛好家にとって、本格的にカメラ・写真を楽しむ上で一つの目標になるのが、上級レベルの撮影テクニックが必要とされている、リバーサルフィルム(ポジフィルム)を自由自在に使いこなすこと。ネガフィルムのようにプリント段階での調整が効かないので、撮った成果が包み隠さずフィルムに出てしまうところが、怖いところでもあり、趣味としては面白いところでもあります。そんなリバーサルフィルムで撮影した写真を鑑賞するとき、ぜひ揃えておきたい必需品を、一通りご紹介したいと思います。
まず、ポジフィルムを鑑賞する前に、鑑賞しやすいフィルム現像の方法についてお話しします。
ポジフィルムでは、現像後、ネガ同様にフィルムシートに詰めた状態となる「スリーブ仕上げ」と、1コマずつ切り離してスライド映写用のフレームに入れた「マウント仕上げ」の2つから、どちらでも都合の良いほうを注文時に選ぶことができます。明らかにスライド映写に使うことがわかっている場合は、全コマを最初からマウント仕上げにしておくのが便利なのですが、撮影の成果として、露出や構図などを一続きに比較対照しながら眺めたいのであれば、スリーブ仕上げがおすすめです。
スリーブ仕上げのほうが、マウント材料がない分だけ一般的に現像代は安く、現像の所要時間も短くなります(現像設備が店頭にある写真店では最短2時間程度)。スリープのフィルムなら、後から自分でカットして、必要な分だけ市販のマウントに詰めることも可能です。なお、一旦カットしてマウントに詰めたフィルムを、元通りスリーブ状態に復元することはできません。
製品例:ハクバ「ライトビュアー7000PRO」
ポジフィルムは、光にかざして透過光で見るようにできています。スリーブ仕上げのポジフィルムは、シートの上下を両手で持って、室内の電灯など明るい方向にかざせば、一応見ることはできますが、これでは明るさが一定しないほか、フィルムの向こう側にある室内の景色まで一緒に透けて見えるので、写真の鑑賞方法としてはいただけません。
そこで、ぜひ揃えておきたいのが、フィルムを鑑賞するための道具である「ライトボックス」です。ライトボックスは、白色のプラスチック板の下に蛍光灯が入っている、写真鑑賞専用のボックス型照明機材。この上に、スリーブ丸ごとフィルムを広げると、1本分36コマをまとめて一覧することができます。ライトボックスは、白色プラスチック板の中央部から周辺部まで、ほぼ偏りなく同じ明るさでフィルムを照らしてくれるので、露出結果の比較にも便利です。
シンプルな機材のわりに値段は少々高いのですが、あれば必ず重宝するので、フィルム派の方はぜひ1つ持っていてください。価格は大きさによって異なり、小型なら比較的安い製品もあります。ポジフィルムの鑑賞だけでなく、ネガフィルムで焼き増しの注文枚数をシート上に書き込みたい場合も、ライトボックスを使うと作業がラクです。
製品例:ハクバ「スクウェアルーペ」
フィルムに写った画像は、1コマ当たり3センチ程度しかない小さなものであるため、肉眼だけでは、ピントが合っているのかどうかまでは、正確な判断ができません。そこで、フィルムを拡大して見るために、専用のルーペも用意しておくと、より便利でしょう。1コマ全体を見渡すなら低倍率のルーペを、ピントを厳しく確認するなら高倍率のルーペを選ぶなど、用途に応じて使い分けができます。
ライトボックスを使って、その上にフィルムを広げれば、平面上にルーペを置いて、細部まで画像の確認ができるので、室内の電灯にシートをかざしてフィルムを眺めるよりは、格段に鑑賞しやすくなります。なお、ルーペは原理的には虫眼鏡と同じではありますが、写真専用のルーペならば、覗いたときに画面の周辺部でも画像の歪みが少なく、写真を正確に見ることができます。画像の「確認」が目的であるなら、信頼性の高い専用ルーペを使うほうが安心です。
なお、35ミリ判フィルムしか使わない場合は、ルーペは小型でも構いませんが、中判以上のフィルムも使う予定がある場合は、寸法が大きめのルーペを選んだ方が快適に使用できます。
フィルムスキャンに対応したイメージスキャナとパソコンを持っていれば、フィルムから、見たいコマの写真を画像入力して、パソコン上で鑑賞や確認をすることもできます。確認したいコマ数が少ない場合は、この方法でも対応可能ですが、パソコンのデジタル画像では、複数画像の一覧性に少々難があります。大量のポジを比較するようなときは、やはり昔ながらのライトボックスとルーペを使うのが、最も便利で効率的でしょう。
また、ポジフィルムからも、DPE店にオーダー(お店プリント)して、紙焼きのプリントを作ることができます。つまり、ポジであっても、フィルムのまま眺めるだけでなく、気にいったコマの写真をプリントして鑑賞できるわけです。フィルムを透過光で見る場合と、紙にプリントして反射光で見る場合とでは、同じ写真でも違った雰囲気になることがあります。ご興味のある方は、お気に入りの作品で一度試してみてください。
ポジのプリントも、全国のキタムラ各店にてご注文いただけます。詳細については、店頭にてご相談ください。
あなたの大切なお写真の現像・保存・プリントは写真専門店カメラのキタムラにおまかせください。